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自治体の皆さまへ

短距離で世界を目指す中学生、夢へのスタートライン。(1)

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東京都渋谷区

―積み重ねた練習を信じて、つかんだ東京都中学新記録。―

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
陸上競技男子100mで東京都中学記録を持つ区立原宿外苑中学校の村上永遠さんと、同校陸上部のコーチを務める水野龍彦さんに、陸上に対する想いや目標について伺いました。

・原宿外苑中学校3年生 村上永遠(むらかみとわ)さん
「陸上は「ただ走るだけ」ではない奥が深い競技だと感じています。」
・原宿外苑中学校陸上部コーチ 水野龍彦(みずのたつひこ)さん
「選手たちが自ら行動した結果の気付きを大切にしています。」

◆100分の1秒を競い合う楽しさに魅了された
◇お二人の自己紹介をお願いします。
村上:原宿外苑中学校3年生の村上永遠です。陸上部に所属し、専門種目は100mと4×100mリレーです。これまで関東大会、全国大会、ジュニアオリンピックに出場し、今年10月に開催された東京都中学校支部対抗陸上競技選⼿権大会では、男子3年100mで10秒65の東京都中学新記録で優勝しました。

水野:原宿外苑中学校陸上部コーチ※の水野龍彦です。大学時代の専門種目は400mハードルでした。これまで世界ユース陸上競技選⼿権大会、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)などに出場し、日本学生陸上競技個人選⼿権大会では400mハードルで優勝しました。現役引退後は選手の育成に携わっています。

※部活動の顧問は生徒に関する情報提供など、コーチは専門的な技術指導や大会引率などを行う。

◇陸上競技に取り組むようになったきっかけを教えてください。
村上:小学生の頃から走ることが好きだったので、中学校で陸上部を選びました。最初は「ただ走るだけでいい」のではないかと思っていたのですが、地面を押しながら走ることを意識したり、ゴールまでの距離に応じて足の回転数(ピッチ)を考えたりと、さまざまなことに注意する必要があることを知り、陸上競技の奥深さを実感しました。

水野:小さい頃から中学2年生までサッカーをしていたのですが、当時は足がとても遅かったんです。それが悔しくて、もっと速く走れるようになりたいという思いから、陸上競技に転向しました。努力すればするほど記録が伸びていくのが楽しくて、次第に目標が高くなり、現役時代は毎日夢中で走っていましたね。

◇数ある陸上競技の種目の中で、短距離走を選んだ理由を教えてください。
村上:もともと持久力がなく、長い距離を走ることが得意ではなかったので、短距離走に興味を持っていました。実際に始めてみると、100分の1秒のわずかな差を競い合う楽しさに魅了され、最終的に100mを選びました。

◆たとえ失敗しても、いつか成功へとつながる
◇普段のトレーニングの様子について教えてください。
村上:水曜日以外は毎日練習しています。大会が多いシーズンは短距離を集中的に走り込み、冬の寒い時期は筋力トレーニングや体力づくりに力を入れています。

◇印象に残っている大会はありますか?
村上:今年7月に開催された都大会と8月に開催された全国大会です。私は3年生になるまではあまり注目されていませんでしたが、この夏の大会でタイムが一気に縮まり、それがきっかけとなって知名度が上がりました。特に全国大会はずっと目標にしていた大会だったので、大舞台で走ることができて本当にうれしかったです。

◇家族や部活仲間からは、どのようなサポートがありますか?
村上:家族は、栄養バランスを考えた食事を作ってくれたり、大会前には「楽しんでおいで」と声を掛けてくれたりします。部活仲間は、私の走りを見て改善点を指摘してくれるので、とても助かっています。

◇水野コーチの指導で、競技の成績が飛躍的に伸びたそうですね。
村上:はい。水野コーチは私の走っている姿を動画で撮影して、具体的に良くなかった動きを指摘しながら修正点を教えてくださいました。その説明がとても的確で分かりやすく、タイムが大幅に縮まりました。

水野:村上さんは、最初は膝が全く上がっておらず、まるで忍者のようにすり足で走っていました。それでも陸上部の顧問の先生が「部内で一番速いんです」とおっしゃっていたので、走る時のフォーム(形)を改善すれば、さらに速くなると感じました。指導を続けるうちに、村上さんの持つポテンシャルの高さを実感するようになりましたね。指摘した部分をすぐに理解して修正でき、修正後のフォームも安定して崩れません。地道な積み重ねを続ければ、今後さらに速くなると思います。

◇選手たちを指導する際に心掛けていることはありますか?
水野:ただ言われたことをこなすだけではなく、自分で考えて、自分で練習できるような環境をつくることを心掛けています。入部して間もない選手には、ウオーミングアップや練習方法などをアドバイスするのですが、ある程度、自分自身の走りや練習方法が確立してきた選手には、自主練習の時間を設けています。できるだけ指示を出さずに、選手自らが行動して、その結果うまくいった時の気付きを大切にしています。

◇思うような結果が出せない選手には、どのように接していますか?
水野:「たくさん失敗しなさい」と伝えています。うまくいかない時も、その失敗を次に生かすことができれば良いと考えています。特に、良いタイムがなかなか出せない選手は試合中にネガティブになりがちです。そんな時は少しでも気持ちが楽になるように、「失敗しても大丈夫」と声を掛けています。

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