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令和6年第1回区議会定例会 区長所信表明(抄)

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東京都渋谷区

2月20日(火)の区議会定例会における長谷部区長の所信の一部を掲載します。

まず初めに、年始に発生した能登半島地震で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被害に見舞われた方々へお見舞いを申し上げます。現在、区では大きく2点の被災地支援に取り組んでいます。義援金の受け付けと区職員の支援業務への派遣です。義援金については、1月4日から受け付けを開始し、既に多くの区民や町会をはじめとする地域団体などからご支援をいただいています。お寄せいただいた義援金は、石川県東京事務所を通じて、しっかりと被災地へ届けてまいります。職員派遣については、1月下旬、輪島市からの依頼を受け、都庁でリモートによる倒壊家屋の被害認定業務を行いました。今後も、被災自治体の要請に応じて、積極的に職員を派遣し、被災地の復興支援に努めてまいります。

◆1 防災
令和6年度は、「渋谷区地域防災計画」に付属する業務継続計画や受援計画などを見直すほか、区民防災マニュアルの改訂版を各戸配布するなど、震災対策を総合的に推進してまいります。また、令和6年度も引き続き防災力向上のための総合防災訓練「渋谷防災キャラバン」を実施するほか、発災時の円滑な避難所運営のための避難所DX(※1)の導入、備蓄品の利便性向上なども進めてまいります。
(※1)デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略

◆2 条例の制定
「渋谷区男女平等及(およ)び多様性を尊重する社会を推進する条例」は、制定から9年目となり、昨年10月に附属機関である「渋谷区男女平等・多様性社会推進会議」から、条例の見直しについての答申を受理しました。答申に基づき検討した結果、第一に、現行条例を改正し、基本理念、職員行動指針の策定や情報保障を規定する包括的な人権条例に進化いたします。第二に、多様性を認め合う社会の推進に関しては、渋谷区基本構想を踏まえ、区が目指す方向性や基本理念などを示す新条例として定め、より強固に推進することとしました。また包括的な人権条例では、パートナーシップの定義について戸籍上の性別が同一である要件を削除することで、選択の幅を広げていきます。

◆3 福祉
(1)「第9期渋谷区高齢者保健福祉計画及(およ)び介護保険事業計画」
これまでの計画を継承しつつ、高齢者の見守り、認知症対策、介護予防・フレイル予防対策、深刻化する介護人材不足への対策などをさらに推し進めます。
(2)「渋谷区障がい福祉推進計画 2024~2026年度」
基本理念として「誰もが自分らしく暮らせるまち しぶや」を掲げ、障がいのある方が望む暮らしを支えることや、切れ目のない支援、支えあう地域づくりを基本目標として、さまざまな取り組みを着実に進めていきます。
(3)緊急時相談支援等事業
令和6年度から、区内にお住まいで障がいのある方が、突然心身に変調を来したときや保護者が急病に見舞われたときなどの緊急時に、24時間365日いつでも電話相談できる相談支援事業を新たに実施します。また、「障がい者支援アウトリーチ事業」も開始し、適切な障がい福祉サービスにつながっていない方への積極的なアプローチにも取り組みます。
(4)敬老金贈呈事業
見直しに向けた検討を進めてまいりましたが、本事業は長年、高齢者の見守り機能としても重要な役割を果たしてきたことから、今後も対面による実態調査を併せて実施することが重要であると判断し、民生委員の訪問による贈呈を再開します。一方、事業の持続可能性の観点から、対象者の年齢および贈呈金額を改める結論に至りました。事業の見直しに合わせ、地域の見守りネットワークの強化や、新たにICT(アイシーティー)・IoT(アイオーティー)(※2)を活用したサービスの導入などにより、高齢者の見守り施策のさらなる充実に取り組んでまいります。
(※2)あらゆるモノをインターネット、あるいはネットワークに接続する技術

◆4 がんに関する助成制度
(1)男性へのHPV(子宮頸(けい)がん予防)ワクチン接種費用の補助
小学6年生から高校1年生に相当する年齢を対象に、HPVワクチンを接種する機会を確保し、任意予防接種の費用を全額補助することで、疾病の予防と集団免疫の獲得を図ります。
(2)アピアランスケアにかかる助成
がんの治療に伴う脱毛や乳房の切除などによる外見の変化は、社会生活を送る上で障壁となる場合があります。そこで、医療用ウィッグや胸部補装具などを必要とする方に、購入費用またはレンタル費用の助成を新たに開始します。

◆5 スポーツ振興
「シブヤ部活動改革プロジェクト」では、広尾中学校と松濤中学校をモデル校に加え、教育委員会とも連携を図り、部活動の地域移行をさらに推進していきます。また、2025年に東京で開催される夏季デフリンピック競技大会(※3)に向けては、デフスポーツに関する展示会や学校での体験教室など機運醸成事業に取り組んでいきます。
(※3)聴覚障がいのある選手のための国際的なスポーツ大会。「デフ(DEAF)」は耳の聞こえないことを意味します。

◆6 第二次渋谷区子ども読書活動推進計画
親子読書広場の実施、教育タブレットへの電子図書の導入、中高生の読書活動に向けた図書館整備、バリアフリー図書の普及・活用などを盛り込み、さらなる読書活動の推進を図ってまいります。

◆7 千駄ヶ谷区民施設の開設
4月1日にオープンする新しい千駄ヶ谷区民施設は、以前のコミュニティセンターとしての機能に加え、認定こども園の機能を併せ持つ複合施設です。木材をふんだんに使った円形の特色ある建物で、コミュニティースペースや会議室、ホールを兼ね備えた、地域活動、文化活動、学習活動をこれまで以上に促進する施設として整備しています。

◆8 大山街道
渋谷駅前の目抜き通りである宮益坂と道玄坂を擁する大山街道では、渋谷駅周辺の開発などに合わせ、区民や来街者に開かれたウオーカブルな街並みを創出していきます。宮益坂については、歩道を約1.5倍に拡幅するとともに歩車道の段差をほぼフラット化し、車道と一体的に利活用できるようにしていきます。道玄坂については、将来的な歩道拡幅などを目指し、貨物の積み降ろしや停車のあり方の検証を目的として、片側を一車線にする交通社会実験を実施しているところです。

◆9 玉川上水旧水路緑道の再整備
令和6年度から緑道の各地で整備工事が始まります。まずは、笹塚緑道・大山緑道・幡ヶ谷緑道において整備を進めていきます。今後も、これまで通り、広報紙の各戸配布、地域への説明会、ワークショップの開催や、仮設FARMの取り組みなどにより、区民の皆さまのご理解をいただきながら、一層地域に愛される場所となるよう、緑道再整備の早期実現に向けて取り組んでまいります。

区長の発言全文は、区ポータルに掲載しています。

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