◆人の思いをまとう着物には、人をつなぐ魅力がある
◇皆さんは着物の魅力をどのような点に感じていますか?
矢嶋:着物の魅力は大きく二つあります。一つは、洋服と同じように自分の気持ちを高めてくれること。もう一つは、洋服以上に作り手の顔が見えることです。織る人、染める人、仕立てる人、いろいろな人の思いをまとえるのは着物ならではだと思います。
木村:着物姿で子どもを保育園へ送り迎えしていると、顔や名前をすぐに覚えていただけたり、会話が弾んだりすることが多く、着物には人と人をつなぐ不思議な力があると日々感じています。
山井:世代を超えて楽しめるのが魅力だと感じています。祖母から譲り受けた着物を自分流に着こなすのも楽しいですし、着物を通じて幅広い年代の方々と仲良くなる機会も多いです。原宿の店舗にも、今年の1月から期間限定で出店しているフランスのパリの店舗にも、多くの海外のお客さまが足を運んでくださり、着物は世代を問わず、国を超える共通言語になり得るのではないかと感じています。
◇皆さん、本日はすてきな着物をお召しですが、着こなしのコツを教えてください。
矢嶋:今朝は少し寒かったこともあり、タートルネックとレザーシューズを合わせてみました。このように、全て着付け小物で合わせなくても着物は着ることができるため、さまざまなアイテムをコーディネートに取り入れて気軽に楽しむのもおすすめです。
木村:本日は全体を淡いトーンでまとめ、レースの羽織とパールの羽織ひもでアクセントをつけ、帯留めは、羽織に描かれたパンジーの柄と同じ青色でそろえました。洋服を着こなす時と同じ感覚で色を合わせていくときれいにまとまり、個性も演出できるので、着物も気軽に楽しんでいただけたらうれしいです。
山井:モダンなチェック柄の着物に、ミンサーという沖縄県で手織りされた帯を合わせ、現代の雰囲気と伝統的なものづくりを掛け合わせました。私物のペンダントの飾り部分を帯留めにアレンジしているのもポイントです。
◇最後に、区民の皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
木村:千駄ヶ谷にある本社では、誰でも気軽に着物の文化に触れられるワークショップ「やまとハブ」を開催しています。開催時はSNSで告知をしていますので、ぜひ、ご参加いただければと思います。
山井:イベントの開催やSNSでの情報発信を含め、着物にまつわる取り組みを通して、少しでも皆さんの生活を豊かにできればと考えています。お近くの店舗に気軽に足を運んでいただけたらうれしいです。
矢嶋:着物をはじめとする日本文化は敷居が高いイメージがありますが、文化というものは、本来は全ての人に寄り添うものであると考えています。着物は決して怖くも難しくもありません。分からないことがあれば私たちをどんどん頼ってもらいたいですし、周りで仲間を見つけるのもすてきだと思います。今後も区と連携し、さまざまな垣根を超えて、誰もが自由に着物を楽しめる社会を目指していきたいです。
≪「渋谷のラジオ」で放送中!≫
矢嶋さん、木村さん、山井さんへのインタビューは3月19・26日に「渋谷の星」で放送します。
■S-SAP(シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー)協定とは?
渋谷区内に拠点を置く企業や大学などと区が協働して、地域の社会的課題を共に解決していくため、締結する官民連携制度のこと。S-SAP協定に基づいて、各企業や大学などはそれぞれが持つ技術や特色を生かして、新たな区民サービスを提供している。令和6(2024)年3月15日時点で、28企業、8大学とS-SAP協定を締結。
問合せ:広報コミュニケーション課広報係
【電話】03-3463-1287【FAX】03-5458-4920
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