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今はむかし

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東京都狛江市

◆5歳児とともに ふくしえほん幼児のあいとぴあ
社会福祉協議会が、平成2年に策定したあいとぴあ推進計画に基づいて、平成5年から幼稚園、保育園に通う5歳児に「ふくしえほん幼児のあいとぴあ」というシート版の絵本を配っている。「あいとぴあ」は4月から翌年3月までの1年間に毎月1枚ずつ合計12枚、それを1年つなげてファイルに納めると絵本になる。子どものうちから社会福祉に目を向けさせるものである。
5歳児は行動範囲が狭いから教師や保育士の話をよく聞き、家に帰れば父母(ちちはは)に甘え会話を楽しみながら親の行いをよく見ていて、絵本の話と違えば問いただす。親にとっては最新の知識を得たり、自分たちの子育てを見つめ直すきっかけにもなる。平成5年発行の第1号では、4月は車椅子(いす)に座った「ゆうくん」を「あいちゃん」が押し、子どもたちが並んで「こぐま園」に向かう姿と「ゆうくん」を囲んで、みんなで遊んでいる明るい絵。
5月は橋や違法駐車のある町の地図。みんなに押してもらって通りにくいところを調べ、考えさせたり、車椅子(いす)の写真。
6月は手話と点字。目や耳の不自由な人もこうして自分の気持ちを伝えていることや、手話の50音図と点字の見本。
7月は家族の系図を調べてみよう。あなたは誰から生まれたの。生まれたばかりの赤ちゃんの写真がある。
8月は夏休み。乗り物のいろいろ、海で泳いだり、おばあちゃんと会ってきた。階段では駅員が車椅子(いす)を手伝う姿の絵など。
9月は家のお手伝い。ごみ出し、皿拭き、新聞取りなど5歳児でもできそうなものとか、お手伝いしている場面の塗(ぬ)り絵。
10月は共同募金のお手伝い。「ゆうくん」も車椅子(いす)に座って募金箱を持つ。集めたお金がいろいろな人の役に立つのだ。
11月は市民まつり。お祭り大好き。狛江市全域の航空写真を掲載、わが家を探そう。
12月はおもちゃを大事に使おう。壊れた時は「おもちゃの病院」もあるよ。
1月は世界の友達と仲良くなろう。肌の色の違った人々の写真も掲載。
2月は捨てられている空き缶を見てきれいな町がいいなと思う心と、ごみの収集車の写真。
3月はもうすぐ小学校1年生。「ゆうくん」を中央にみんなで手をつないで校門を入る姿と、「みぎひだり よくみて手をあげ わたりましょう・学童安全狛江市」と書いたランドセルで締めくくる。
父母(ちちはは)と手をつないで街中を歩きながら、絵本で学んだことが会話になり実践につながれば大成功。頼もしい大人になるだろう。「あいとぴあ」は、時の変化に応じて話題を変えつつ令和の今も続いている。
井上 孝(元狛江市文化財専門委員)

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