町田市長:石阪丈一
長い「夏」が終わり、本格的に秋の涼しさが訪れたのは11月になってからでした。過日、小野路・図師方面の里山を訪れました。稲架(はさ)掛けを終えた田の畔(あぜ)にアザミの仲間が赤紫の色を添えていました。白色のノギクや紫色のソバナなど野草も、まだ多くの種類が花を付けていて、里山は秋もにぎやかです。秋色と言えば、あちこちに収穫されないままの柿の実がだいだい色に光っていました。
足元の藪(やぶ)からチャッ、チャッというウグイスの地鳴きが聞こえ、モズが冬場のテリトリー確保のために、高鳴きを始めています。上空から独特の尻下がりの鳴き声が聞こえ、尾根の上を見ると、小型のタカ類のツミが2羽現れました。
さて、去る11月7日に町田市民フォーラムで、2024年度の「町田市養育家庭体験発表会」が開催されました。10月、11月は「東京都里親月間」です。また、11月は「児童虐待防止推進月間」でもあります。現状、都内には親の疾病や養育拒否など、さまざまな理由で親と一緒に暮らすことができない子どもたちが約4000人います。施設でなく一般の家庭で暮らす子どもたちもいます。
親代わりの養育をしていただいている「里親さん」の家庭を「養育家庭」と呼んでいます。7日の当日は、愛恵会乳児院の方から養育家庭制度について説明があり、そのあとに、実際に里親の方から「養育家庭体験発表」があり、また、パネルディスカッションも行われました。
町田市内には、来年6月に、現在担当している八王子児童相談所から分かれて、町田児童相談所(仮称)が開設されます。児童相談所の仕事のかなりの部分は親の「養育拒否」「児童虐待」への対応です。そうした児童にとって、養育家庭(里親)は温かな家庭環境で育つという、非常に大きな役割を果たしています。
これを機に市民の皆さんには養育家庭について知っていただき、理解・協力、そして、できれば里親を担っていただく、そんなことを期待しております。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>