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【特集】障害のあるかたへの理解を深める~楽しく働くことに「違い」はない(1)

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東京都目黒区

人が生きていく中で障壁だと感じるものが障害であると捉えると、障害はその生きづらさをつくる社会の側にあるといえます。区は障害のある人もない人も、ともに心地よく生きることができる社会を目指しています。
今号は、障害者雇用で働く区内在住の富田さんに話しを伺いました。一緒に働くかたや就労を支援する取り組みなど、現場の声を紹介します。

■民間企業の障害者の雇用状況
障害者雇用促進法では、企業の従業員に占める障害者の割合を一定以上とすることを義務づけています。厚生労働省によると現在、民間企業での障害者の法定雇用率は2.3%。6年4月に2.5%、8年7月には2.7%と、段階的に引き上げられる予定です。

4年障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)

■学生時代も楽しかったけれど 仕事をしている今はもっと楽しいです
AKKODiSビジネスサポート株式会社
富田伶さん
知的障害がある富田さんは、特別支援学校を卒業後に同社へ入社し、今年で8年目。区の心身障害者自立生活者表彰を4年度に受賞。職場では持ち前の明るさで愛されキャラ。趣味は散歩、ゲーム、YouTube鑑賞。

入社のきっかけは、見学に行った時理想の会社だと感じて働きたいと思ったことです。実習を頑張り、入社できて本当にうれしかったです。
話をきちんと聞くことと、深呼吸をして落ち着き、手元を見て集中することを心掛けて仕事をしています。発送物の封入・発送が楽しい仕事です。新しい仕事に取り組むときはドキドキします。
これからも楽しく働き続けたいので、ジョブコーチや目黒障害者就労支援センターのかたの話をきちんと聞いて頑張りたいです。働くことを目指して本当に良かったです。

■富田さんの働き方
富田さんが主に担当している業務は事務作業。ミスのないようミーティングで報告・相談ができる体制を整えています。さらに、上司や就労支援員との振り返り面談で、気になったところのサポートを行うほか、家庭でのサポート体制を整えるため、家族を含めた面談も行っています。

目黒区障害福祉キャラクター・な ぽぽ「富田さんの働き方を見てみるぽぽ!」「連携が重要のようだな〜」

◇通常業務
ジョブコーチ 重留さん「富田さん。今日はデータ入力と封入作業をお願いします。午後、ジョブコーチ2人と面談を行います。分からないことがあれば報告してください」
富田さん「はい!契約書の発送作業は、ほぼ毎日行っているので質問はありません。入力作業もいつも通り処理します」

面談:面談では、業務上の課題について定期的に振り返りを行い、何かあった時には必ず報告するように指導。長所を伸ばし、苦手な部分が少なくなるよう意識して指導に当たります。

◇振り返り面談
ジョブコーチ 重留さん「中村さん。パソコン作業時、富田さんは集中力が低下して何度かミスをしていました。指導した時も元気がなかったので心配です。中村さんからケアをお願いできますか?」
就労支援員 中村さん「富田さん。先日、ミスをして落ち込んでいるようだったと重留さんから聞きました。まだ気にされていますか?」
富田さん「いいえ。どうしたらミスしないかを考えていました。次回は、集中力を切らさないよう気を付けて、ミスを防ぎたいと思っています」

就労支援員 中村さん「重留さん。落ち込んでいたのではなく、どうしたらミスをなくせるか考えていたようです。とても前向きに捉えているので、これからもよろしくお願いします」
重留さん「ありがとうございます!」

■職場の声
ジョブコーチ・田丸さん「富田さんは、目の前のことを画像のように記憶できます。野菜の種を小分けにする作業では、一目で何粒か分かるので、とてもスピーディーで助かります」
ジョブコーチ・荻野さん「イレギュラーな業務はジョブコーチの下で行います。間違いがあれば指摘して、正しくできるのを確認できたら完全に任せる形にしています」
富田さん「一人一人が私の応援団のようで心強いです。会社でミスをして落ち込んでも、家では母が受け止めてくれるので、また頑張ろうという気持ちになれます」

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