Q:押し付けられる自己責任論にマイノリティはどのように向き合えばいいですか
A:自己決定・自己責任は、そもそも選択肢を知らなければ「ご自由にどうぞ」と言われても選ぶことはできません。例えば、施設暮らしの障害者が「施設を出て暮らしますか」と聞かれても、経験がなければ住み慣れた施設を選ぶ可能性が高いでしょう。本意でない選択の後であっても、自己責任と言われます。マイノリティの問題では、選択肢の確保と試しに選択できる機会の保障が、自己決定の条件です。
熊谷先生「試行の機会があれば新たな選択に魅力を発見できるかも」
Q:マイノリティ性を打ち明けることが難しい人はどうすればいいですか
A:自分の障害などを打ち明けることが難しくても、多くの場合、本人に責任はありません。話すことが先ではなく、社会を変えることが先。自分から話すことで、偏見や差別を受ける可能性がある場合、信頼できる相手を選んで慎重に行動することも大切です。そして、社会を変えるために誰かと協力して行動することが、個人の悩みを解決する第一歩となることもあるでしょう。
熊谷先生「仕事や学業で不利益を被る可能性のある社会に生きる私たちにとって、話せないことは個人の落ち度ではありません」
■熊谷先生からのメッセージ
まず、自分の課題や問題を言葉にして、身近な人たちと共有する場をつくってみましょう。ポイントは、問題を共有するだけで、解決を目指さないこと。聞く側は批判も助言も加えず、ただ話すこと・聴くことだけの時間を1日10分でも確保してみてください。すると、そんなことに困っていたんだと新たな気付きや理解が深まり、予期せぬ効果が生まれるかもしれません。
マイノリティへの支援も大切ですが、その一方で「支援する側のあなたも一緒。誰もが当事者で仲間」という意識を持つことが大切です。今回の話はマイノリティ問題が出発点ですが、誰にでも当てはまります。この考え方を、誰かのためだけではなく、皆さんが自分自身を振り返る時の補助線として参考にしてもらえたらうれしいです。
■人権に関する相談はこちらへ
※祝・休日、12月29日〜6年1月3日を除く
■小・中学生人権啓発 標語作品展
日時:12月23日(土)8:30〜6年1月9日(火)12:00
(12月29日〜1月3日を除く)
場所:総合庁舎本館1階西口ロビー
※4年度区長賞受賞作品については、本紙3面をご覧ください。
■北朝鮮人権侵害問題啓発週間
12月10~16日
北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深め、解決に向けて取り組みましょう。
■なくそう!差別につながる身元調査
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)などを、不正に取得する事件が明らかになっています。このような不正行為は、プライバシーの侵害に当たるだけでなく、人権侵害にもつながります。区は、不正取得の防止に努めるとともに、不正取得が明らかになった場合には、本人にその事実をお知らせしています。
問合せ:戸籍住民課戸籍証明係
【電話】5722-9805【FAX】5721-7814
■アンケートにご協力ください
回答者に干支土鈴をプレゼント
今号の特集「インクルーシブな社会をめざそう!」のアンケートに回答していただいたかたに、干支土鈴(各会場先着80人。無くなり次第終了)を進呈します
◇アンケート配布
日時:12月5日(火)〜8日(金)9:00〜16:00
場所:総合庁舎本館4階人権政策課、男女平等・共同参画センター
(中目黒2-10-13中目黒スクエア内)
対象:区内在住・在勤・在学者
問合せ:人権政策課人権・同和政策係
【電話】5722-9214【FAX】5722-9469
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