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【特集】めぐろ歴史資料館の舞台裏~目黒の歴史が並ぶまで(2)

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東京都目黒区

■土器
大昔の住居跡やその付近からは、土器や石器が出土します。その多くはかけらになっていて、発掘後はパズルのように組み合わせて復元します。

(1)発掘・調査
重機で薄く丁寧に土を削りながら発掘し、ある程度進んだら手作業で掘ります。土器発掘後は、場所や深さなどを調査します。

土器の多くは粉々になって発見される

(2)組み立て
土器のかけらは水洗い後、一つ一つに発見された地点などの情報を書き込む「注記」をします。その後、かけらを合わせ接合していきますが、ジグソーパズルと違って形がバラバラなので根気のいる作業です。

注記は、面相筆を使って細密に手書き!

荒井指導員(埋蔵文化財保護担当)「ぴったり組み合わさった時は「4500年ぶりに戻った!よかったね」と充実感・達成感があります」

(3)展示
復元後は、大きさなどの実測や、図面に描き起こす等の記録作業を経て、展示します。展示は、文様や全体の形がよく見えるよう工夫します。土器の内側をよく見ると、かけらに書かれた注記があるのが分かります。

■古文書
古文書(こもんじょ)は主に近世(江戸時代)以前の史料で、位の高い人物からの命令書や外交文書、証文のほか、庶民の手紙、物語、地図などがあります。昔の紙は劣化しやすいので、取り扱いは慎重に行います。

(1)ほこり取り・燻蒸
文書を破損しないよう、刷毛(はけ)でやさしくごみやほこりを取り除きます。その後、害虫駆除や防カビ殺菌のための燻蒸(くんじょう)を行います。

(2)補修・解読
状態を確認します。損傷が激しい時は、台紙を付けて補強する「裏打ち」が行われることもあります。その後、何が書かれているのか解読して記録します。くずし字なので、知識と経験が必要な作業です。

(3)展示
解読を終えたら、展示します。古文書が冊子の場合は、特徴的なページ、一目見て分かりやすいページを開いて展示します。

篠原研究員(歴史分野担当)「古文書の保管と展示に重要なのが湿度。劣化・カビなどを防ぐため、湿度は55%前後に保っています!」

■大日如来坐像 2つのミステリー
大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)には、発掘当時から解明されていないミステリーがある!

◇ミステリー1
祠の床下に埋められ隠されていた?
洞穴の奥壁にある祠の床下に埋められていた大日如来坐像。掘った穴に寝かせるようにして入れた後、あたかも隠すように粘土で固めるようにして埋め、さらに、その上で火をたいていたことが分かりました。ここまでして大日如来坐像を隠した理由は謎に包まれたままです。

武田館長「考えれば考えるほど謎が深まる!まさにミステリーだ!」

◇ミステリー2
どの祠に祀られていた? 台座との関係は?
大日如来坐像本体は、奥壁の祠にぴったり収まります。しかし、像の台座が別の場所で発見され、台座と合わせると奥壁の祠にも、階段部分にある祠にも収まりません。本来、像と台座はセットであることを考えると、当時どの祠にどのように祀られていたのか、分からないままです。

■めぐろ歴史資料館冬の企画展~昔のくらしと道具展「伝える・のこす」
例年、冬の企画展では、小学校3年生の授業に合わせて「昔のくらしと道具」が学べる展示を行います。
今年は、資料館にさまざまな形で残っている、昔のくらしを伝えてくれる道具や資料を紹介します。詳細は区Webをご覧ください。

12月16日(土)〜6年3月10日(日)

古文書:当時あった出来事の様子を書き残しています。
暗箱カメラと写真帳:レンズに映った昔の光景を、ありのまま残しています。
手回し計算機:数値をセットし、ハンドルをまわすことで、計算結果が表示されます。

◇体験イベント
石井研究員(民俗分野担当)「蓄音機を使って、当時の人が聞いていた音を聞いてみませんか。希望者は当日会場へお越しください。」
日時:12月24日(日)、6年1月21日(日)、2月18日(日)14:30~15:00
対象:小学生以上

問合せ:めぐろ歴史資料館
【電話】3715-3571【FAX】3715-1325

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