■駄菓子屋が みんなの居場所になって ふるさとみたいになれたら
駄菓子や なかよし・うおよし
店長
北澤尚文(きたざわなおふみ)さん
◇プロフィール
新潟県両津市(現佐渡市)出身。東京都や特別区の職員を定年退職後、令和3年7月に柿の木坂で「駄菓子や なかよし・うおよし」を開店。八雲小学校PTA会長や青少年委員を経て、平成27年から八雲住区住民会議会長を務める。
◇転がり込んだ、またとない機会
「なかよし・うおよし」は、パーシモンホールの向かいにある駄菓子屋さん。店長の北澤さんは「定年後は駄菓子屋をやりたいと、長年話をしていたんです。PTAの後輩から『家業の魚屋を廃業するので駄菓子屋にどうですか』という話があって、やってみることにしました」と話します。
なぜ駄菓子屋なのかを聞くと「私の故郷は佐渡島なんですが、息子たちがふるさとと思える場所を作りたいという気持ちがずっとあり、地域活動をする中で、その気持ちはさらに強くなりました。駄菓子屋をできれば、子どもたちの楽しい居場所になり、そこからふるさとにつながればいいなと」。店名の由来を聞くと、「駄菓子屋でなかよしになることと、場所を提供してくれた魚屋の屋号、うおよし(魚由)を合わせました」
◇店舗造りと運営は仲間の協力があってこそ
「店の改装は昔ながらの駄菓子屋ではなく、居場所づくりをコンセプトに1階の奥や2階に人が集まるスペースを設けました。設計は建築士の長男に、壁画や床張りはアーティストの次男が手がけました。さらに地域の皆さん、前の職場の同僚と一緒にペンキ塗りなどもやって、できる限り自分たちで造りました」
駄菓子屋のやりがいを伺うと、「おじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんと一緒に来てくれると、やっていてよかったと思います。店に通う子が大きくなっていく姿など、地域の子どもの成長に立ち会えるのもうれしいですね。当面の課題は、スタッフ・ボランティアの確保や住区活動と店舗運営との時間調整、収益のアップなどですが、みんなと協力して乗り切りたいですね」
◇地域に託していきたい、みんなが集まれる場所
駄菓子は約230種類ストックしているそう。「子どもたちは平均150円分くらい買っていきますが、予算をオーバーしたらどれをやめるか、スタッフと相談する姿をよく見ます。最近は電子マネーで支払う子も多いですよ」
2階のレンタルスペースでは、お楽しみ会や中学・高校生向けボードゲームカフェ、夏休みの学習スペースなど、地域の居場所として利用されています。「今年2月から、能登半島応援で八雲マルシェというイベントに協力しています。お店に募金箱も置いています」と北澤さん。
「ここが八雲の故郷の一つになれたとしても、私が引退して終わりではなく、次の世代に引き継ぎ、末永く続けていきたいですね。故郷の佐渡米で作ったおにぎりなども用意しています。ぜひ気軽に来てください」と語ってくれました。
場所:柿の木坂1-34-15
日時:11:30~18:00。月・火曜日、祝・休日定休
問合せ:【電話】4361-4281
<この記事についてアンケートにご協力ください。>