区内には8つの区立図書館があり、全館合わせて約117万冊の本を所蔵しています(6年3月現在)。私たちが何気なく手に取っている図書館の本は、いくつものステップを踏んで、本棚に並ぶことをご存じですか。なじみのある図書館には、実は私たちの知らない仕事がたくさんあります。
今号は、普段は見ることのできない図書館の舞台裏を探検します。
「八雲中央図書館のメンバーが紙上バックヤードツアーへご案内します。」
■区内にある8つの図書館
八雲中央図書館(八雲1-1-1 区民キャンパス内)
橋図書館(大橋1-5-1 クロスエアタワー9階)
中目黒駅前図書館(上目黒2-1-3 中目黒GTプラザ内)
区民センター図書館(目黒2-4-36)
守屋図書館(五本木2-20-15)
目黒本町図書館(目黒本町2-1-20)
洗足図書館(洗足2-8-26)
緑が丘図書館(緑が丘2-14-23)
●[八雲中央図書館]バックヤードツアーのご案内
いつもは入ることができない書庫と図書館の仕事を紹介します。
読書週間(10月27日~11月9日)に合わせて開催予定です。詳細は決まり次第お知らせします。前回のバックヤードツアーの様子は区公式YouTubeチャンネル「めぐろTV」からご覧になれます。
▽START
1.選定
・著者の情報、類書の状況などを調べて、どんな本を購入するかじっくり吟味して選びます
次の方法で、図書館に受け入れる本を複数の職員で検討します。
区民のかたの知的好奇心や関心、子育てや健康、介護、防災など、区の地域の特性や課題に合わせて選定を行っています。
(1)現物選定
出版取次(※)から書店を通して配本される現物を見て選定します。
(※)本を仕入れて卸す会社
(2)リストによる選定
出版取次から送られてくる、「新刊ご案内」リストの中から選定します。
(3)予約、リクエストによる選定
所蔵していない本に対する区民の予約、リクエストをもとに選定します。
「選定した本は専用の棚に移動!」
2.受け入れ
本の内容(歴史、経済、文学など)で分類し、1冊ごとに与えられるバーコードを読み取り、図書館のデータベースに分類番号や館名、受け入れ日などの情報を登録します。
「5年度受け入れ数は51,843冊(1週間当たり約1,000冊)」
3.装備
バーコードのラベルを本の外側と内側(見返し紙)に一枚ずつ貼ります。本の場所(住所)を表す分類番号などを印刷したラベル(本紙PDF版2ページ下記参照)を背表紙に貼り、資料を保護するためにフィルムカバーをかけます。
「1時間に20冊を目標に装備しています」
・フィルムカバーが浮かないよう、カバーに切り込みを入れますが、文字のある部分は残します
・丸みのある本はフィルムカバーに切り込みを入れて丸くかけます
[分類番号]
本の内容(歴史、経済、文学など)を数字で分類することで、本の置き場所を決めています
[図書記号]
区では、同じような内容の本をさらに分ける時に、著者で並べられるように著者の姓を3文字(ひらがな)付けています
「本を長持ちさせる工夫だね!」
4.配架
装備の仕上がった本は、ラベルとデータの内容が一致しているか、受け入れ情報(館や場所、購入金額など)の最終点検を行い、図書館の新着資料コーナーに並べていきます。
・新着資料は2週間ほど経過したら、通常の棚に移動します
・他の館にある本は予約で取り寄せて借りられます
5.保存庫入れ
利用の少なくなった本は、保存庫に収納します。また、貴重な本を大切に保管しています。
・区内全館の保存庫にある本は31万5190冊(5年度)。全館所蔵数の約4分の1に相当します
「昭和初期の目黒区詳細図です。目黒競馬場があったのが分かりますね」
6.修理
・本が水にぬれた時は、ゆがみが生じないように、締め機(左写真)でプレスして乾かします
「2~3日間固定しておきます」
・買い替えのできない本や、簡易な破損には修理を行います。修理には、ヘルパー、締め機といった道具を用います。糸とじなどをする場合もあります。
・ページの破れや、ノド(ページをとじている部分)割れは、ヘルパーと呼ばれる透明のテープで補修します
▽GOAL
7.除籍
・類書の多い本や利用のない本、破損がひどく利用に適さない本などは除籍します
(1)リサイクル
除籍した本のうち状態が良いものはリサイクルシールを貼り、無償で提供しています。
(2)廃棄
状態が悪い本は処分します。そのために、皮はぎ(フィルムカバーの不燃ごみ部分と、本体の古紙部分を分ける)して分別します。
「役目の終わった本を選別するのも大切な仕事です!」
「いかがでしたか?」
「図書館の裏側にはいろいろな仕事があるんですよ!」
■レファレンスサービスを活用しよう
●あなたの身近な「?」を一緒に調べます!
「〇〇について知りたい」「〇〇に関する文献を探している」など、身近な疑問の解決から調査・研究まで、調べものに適する資料や情報を探す時に図書館が支援するサービスです。
▽過去にあった質問の事例
Q.総合庁舎がある場所の明治から昭和60年代にかけての写真や地図を見たい
Q.「八雲」という地名の由来を知りたい
問合せ:八雲中央図書館
(【電話】5701-2795、【FAX】5701-2794)
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