区は、平成28年度から日々仕訳による新公会計制度(下記事参照)を導入しています。
今号では、新公会計制度による財務諸表を公表するとともに、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づいて、区の財政状況を報告します。
※各表は表示単位未満を四捨五入しているため、合計等と合わないことがあります
■新公会計制度の特徴
現金の収入・支出のみを記録した歳入歳出決算を行う官庁会計に加え、複式簿記・発生主義という企業会計の考え方を取り入れることにより、次の点が明らかになります。
・公共施設等の資産や、施設建設のための借入金等の負債といったストック情報が容易に把握できます
・現金収支からではわからなかった減価償却費や各種引当金等、見えないコストが明らかになることで、フルコストが把握できます
■令和4年度の財務諸表(一般会計)
◆貸借対照表(令和5年3月31日現在)
会計年度末時点(出納整理期間を含む)における、住民サービスを提供するために区が保有している財産(資産)とその資産を形成するための財源(負債、正味財産)を示しています。資産総額は4,251億円で、公共施設等(行政・普通財産、重要物品、インフラ資産)が約9割を占めています。
(単位:億円)
※上表では、資産の部および負債の部について、流動資産と固定資産、流動負債と固定負債を合算して表示しています
▽区民一人あたりの資産・負債・正味財産
資産:195万7千円
負債:12万2千円
正味財産:183万5千円
※荒川区の人口 21万7,233人(令和5年4月1日現在)
◆行政コスト計算書(令和4年4月1日~令和5年3月31日)
区の土地取得費や建物の建設費等以外の行政サービス(人的サービスや給付サービス等)にかかる費用と収入を示しています。当期収支差額は58億円で、行政収入は特別区財政調整交付金が約4割、国庫支出金が約2割、行政費用は扶助費が約3割、物件費が約2割を占めています。
◆キャッシュ・フロー計算書(令和4年4月1日~令和5年3月31日)
1年間の現金収支を3つの活動区分ごとに示しています。形式収支は貸借対照表の現金預金と一致します。
◆正味財産変動計算書(令和4年4月1日~令和5年3月31日)
貸借対照表の正味財産の部の1年間の変動状況を示しています。
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