\実際に被害にあった方と高齢者への声かけで詐欺を未然に防いだ方にお話を伺いました/
■親切な対応と現実味のある金額、まさか…。
還付金(2万3千円)を受け取ろうとして100万円近くをだまし取られる
60歳代男性
注意!
ATMの前で電話している人はだまされているかも
Q.詐欺にあった経緯を教えてください。
A.区役所の中野と名乗る人から自宅の固定電話に「還付金2万3,000円の手続きが済んでいません。後ほど銀行から電話がありますので、指示に従ってください」と連絡がありました。その後、銀行員をかたる人からの電話で「今、ATMで手続きをすれば間に合う」とせかされ、ATMで言われたとおり数字を打つうちに、100万円以上あった口座の残金が4万円になっていました。振り込みをしているという感覚はありませんでした。
Q.還付金詐欺について知っていましたか?
A.テレビの報道などで聞いていたし、妻もその場にいましたが、犯人の丁寧な話しぶりから、自分のために親切にしてくれていると思い込んでしまいました。還付金が大きな額なら疑ったかもしれませんが、2万3,000円というリアルな数字が本当の話のようだったんです。振り込んだお金は戻らず、数日は落ち込みましたが、今後のために相手の番号が表示されない固定電話は解約し、防犯カメラをつけるなど、2度と被害にあわないよう対策をしています。
■パソコンがウイルスに感染?
コンビニでプリペイドカードを買うシニアへの声かけで詐欺被害を防ぐ
7月に特殊詐欺未然防止「声掛けマイスター」として認定
カンデル・アルジュンさん
プリペイドカードでの支払い誘導にご注意を!
Q.どのような状況でしたか?
A.高齢の男性の方が5,000円分のプリペイドカードを購入しようとしていました。話を聞いてみると、「パソコンがウイルスに感染したという警告が出て、サポートセンターに電話をしたら、プリペイドカードでの支払いが必要だと言われた」とのこと。最近特に多い詐欺の手口だとすぐに気がつきました。
Q.どのように話しかけましたか?
A.警察署からもらった特殊詐欺の注意喚起文を見せて、「お客さん、最近こういうものが流行っていますが、大丈夫ですか?」と声をかけました。普段から言葉選びには特に注意しています。「それ、詐欺じゃないですか?」と言ってしまうと、相手はパニックになってしまうかもしれません。落ち着いたトーンで優しく話しかけるように意識しています。
Q.詐欺を防ぐために、どんなことが大切だと思いますか?
A.私は、今年度3件の特殊詐欺被害を警察に通報しました。私がレジにいる時だけで3件の被害があったので、社会全体での被害はもっと多いと思います。一緒に働く店員にも金券などを購入しようとしている人がいたら、声かけを徹底するよう指導しています。自分自身もいつかだまされるかもしれない、明日は我が身かもしれません。一人ひとりが特殊詐欺を意識し、地域全体で声をかけ合い、地域の安全・安心を守っていくことが大切だと思います。
■巣鴨・池袋・目白警察署からのメッセージ
特殊詐欺は皆さんの大切な財産を奪うだけでなく、人生を踏みにじる卑劣な犯罪です。最近は「あなたの口座が犯罪に利用されている」と言って、偽の警察手帳や逮捕状を見せ、お金を振り込ませるケースが増えています。警察官がSNSやビデオ通話で連絡をすることはありません。電話を切って、最寄りの警察署に連絡してください。また、通話をしながらATMを操作している人を見かけたら、「大丈夫ですか?」などと声をかけたうえ、110番通報をお願いします。
問合せ:防災危機管理課治安対策グループ【電話】03-3981-1433
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