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自治体の皆さまへ

あだちの不思議な物語(2)

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東京都足立区 クリエイティブ・コモンズ

今号では、自主グループなどが手がけた素敵な絵本をご紹介しながら、あなたを「足立区に残る世にも奇妙で不思議な世界」にご案内します。
※絵本画像などの掲載は、制作団体にご了承いただいています。各物語には諸説ある場合があります。

◆物語の続きは図書館へGO 特設コーナーもあるよ
今号でご紹介した絵本は、各区立図書館で読むことができます。また、図書館ごとに、様々な語り伝えの書籍の展示なども行います。
8月31日まで夏休み限定Web(ウェブ)でも公開中
※本の所蔵や展示内容、期間などは図書館によって異なります(貸し出し中の場合があります)。Web公開など、くわしくは区のホームページをご覧ください。

◆絵本の原画など区役所で展示
今号でご紹介した「へびばし」の原画(切り絵)と各絵本を展示します。
期間: 8月10日から24日
場所:区役所1階区民ロビー
申込:不要 ※当日直接会場へ

○区内の語り伝えを40話収録
区制80周年(平成24年度)を記念して、足立区育ちの直木賞作家・朱川 湊人(しゅかわみなと)さんに編集・監修していただいた「足立の昔がたり」。区内の語り伝えを40話収録しており、各区立図書館で読むことができます。

○大人は本格的な書籍で!
絵本だけでなく、物語をまとめた書籍も各区立図書館でお読みいただけます。

■その二
〔千住のお話〕荒川にあらわれた鯨(平成4年発行)
花畑児童館「絵本教室」・作

隅田川は昔、荒川と呼ばれていました。たびたび大水を引き起こす「荒れる川」だったからです。
明治の後期、激しい雨が降り続いたことで、今までにない大水が足立全体を襲います。人々は自分の家が流され、井戸水すらも飲めない苦難の日々を強いられていました。そんな大水が引いてようやく落ち着いたころ、千住のまちでなんとも不思議な噂(うわさ)が飛び交いました。
「千住大橋のそばに怪物が出る」
噂を聞きつけた人々は怪物を一目見ようと荒川の土手に集まり、怪物を追い立てる船頭たちを一心に見守ります。
ようやく姿を現した怪物の正体、なんとそれは鯨だったのです。
海に生息するはずの鯨がなぜ荒川に。そしてこの鯨の行く末は…?

◇ちょっと小話
荒川にあらわれたのはゴンドウクジラという小型の種類の鯨。体長は1丈(約3メートル)で体重は45貫(約170キログラム)ほど。当時大騒ぎとなり、新聞記事にもなっています(引用:明治41年3月29日 東京朝日新聞ほか)。

■その三
〔梅田のお話〕お月さま二つ(平成2年発行)
「足立の昔話しをたずねて」
自主研究会・文/瀬戸 清美(せときよみ)・絵

昔、明王院(みょうおういん)(梅田4丁目15番30号)の境内には、それは見事な松の木がありました。 
ある月夜、隣村に出かけた親子が帰り道を急いでいたときのこと。
「父ちゃん、松の木にまんまるお月さまだ」と、子どもが言います。
さらに「あっちにもお月さまがあるよ」とも言うのです。父ちゃんが半信半疑で見てみると、なんと松の木にも、東の空にも、月が見えているではありませんか。そのうえ松の木のお月さまは、あがったりさがったり、ゆらゆらと動いているのです。
次の日から村は大騒ぎ。「あれは人玉にちがいない」「きっと蛍のむれだ」などと噂されます。
果たして、村を騒がせる「もう一つのお月さま」の正体とは…?

◇ちょっと小話
明王院にはこのほかにも、昔、戦に敗れて片目を失った武士が明王院の池で傷ついた目を洗ったことを機に、その池に棲(す)むあらゆる生きものが片目になってしまったという奇妙な言い伝えがあります(出典:『足立百の語り伝え』)。

問い合わせ先:
報道広報課 広報係【電話】03-3880-5815
中央図書館 読書活動推進係 【電話】03-5813-3745

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