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あだちの不思議な物語(3)

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東京都足立区 クリエイティブ・コモンズ

■その四
〔舎人のお話〕けなが姫(昭和63年発行)
昭和62年度グループ研究会・作

足立区と埼玉県の境目を流れる毛長川の名前の由来になったとされるお話。
昔、新里(にっさと)村(現在の埼玉県草加市新里町)に、美しい黒髪を持つ「けなが姫」と呼ばれる娘がいました。足立の舎人の里に住む男性の元にお嫁に行くことになったけなが姫。しばらくは夫婦で仲睦(なかむつ)まじく暮らしていました。
ところが2年、3年経(た)っても2人の間に子どもができず、けなが姫は悲しみに暮れるようになってしまいます。そんなある日、けなが姫は沼のほとりに佇(たたず)んで物思いに沈んでいました。すると静かだった沼が波立ち始め、けなが姫はそれに飲み込まれるように身を投げてしまったのです。
それから3年が経ち、数日にもおよぶ嵐が過ぎ去った夏の日のこと。沼の方から川をつたって長い長い黒髪が流れてきて…。

◇ちょっと小話
この物語に関係する場所として、毛長神社と舎人諏訪神社があります。毛長神社にはけなが姫が、舎人諏訪神社にはその夫が祀(まつ)られており、この2社は互いに見つめ合うかのように向かい合って鎮座しています。

■その五
〔東和のお話〕五太夫(ごだゆう)さんのねこ(昭和63年発行)
「足立の昔話しをたずねて」自主研究会・作

昔、蒲原(かばら)(現在の東和付近)に「五太夫」という、とても心優しい名主がいました。
誰にでも親切にするものですから、いつも五太夫さんの家には人が集まっていたそうです。そんな五太夫さんは「ねこ」が大好きで、どこのねこもとてもかわいがっていました。
ところが、五太夫さんは流行り病にかかってしまい、ぽっくりと死んでしまったのです。村人たちは嘆き悲しみ、五太夫さんのお墓にはいつも花と線香が絶えませんでした。
五太夫さんの四十九日の法事を終えたころ、辰沼のとある家で4匹の子ねこが生まれました。
このうちの1匹の子ねこには五太夫さんとの関係を感じさせる、ある「特徴」があったのです…。

◇ちょっと小話
蒲原は現在の東和付近に相当します。低湿地帯や沼沢地で蒲(がま)(ガマ科の多年生植物(複数年生存する植物)で、湿地などに生え、高さは1メートルから2メートル程度。)が生えていたことからこの地名がついたといわれています。地名が変わった今でも、学校名や通りの名称などとして定着し、地域に親しまれています。

問い合わせ先:
報道広報課 広報係【電話】03-3880-5815
中央図書館読書活動推進係【電話】03-5813-3745

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