災害が発生するたびに引き合いに出されるのが、発災後48時間以内に、ボランティアによって、避難所にベッド、仮設トイレ、キッチンカーが搬入されるというイタリアの支援体制です。聞くところによると、イタリア国内に5カ所あるイタリア赤十字社の備蓄施設の1つは、東京ドーム6個分の広さがあるといいます。法律やボランティアの位置付けなど制度が全く異なるため、一足飛びには実現できないまでも、国・都・区市町村が役割分担を図りながら、いかに避難生活の質の向上に努めるかが問われています
昨年12月から国の「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」のメンバーに加えていただきました。東日本大震災を経験した首長であること、足立区が地震対策に積極的に取り組んでいることの2つが、メンバーに推薦された理由と伺いました
7月19日の第3回会議では、今年1月9日と11日に、当区の職員が石川県七尾市に支援物資を搬送した際に見えた現地の課題と、その対策について発言しました
発災当日から国の支援が始まったにもかかわらず、1週間経(た)っても「物資が届かない」「食事はおにぎりやインスタント食品が中心」という状況でした。道路の寸断で届けたくても届けられなかったという事情はあったにせよ、県が支援物資を一括して受け入れて市町村に配分する仕組みだけでは、スピード感ある支援は難しいと感じます。状況に応じた柔軟な対応も必要ではないでしょうか。
足立区長 近藤やよい
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