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地下鉄サリン事件から30年 私たちは決して忘れない(2)

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東京都足立区 クリエイティブ・コモンズ

○願いは、二度と同じ悲劇を繰り返さないこと
地下鉄サリン事件被害者の会 代表世話人 
高橋シズヱさん
当時営団地下鉄(現東京メトロ)で駅員として勤務していた、高橋シズヱさんの夫一正(かずまさ)さん。一正さんはこの事件で、サリン中毒により亡くなりました。
私が病院に駆けつけたとき、主人はすでに冷たくなっていました。大切な家族が殺され、「普通の生活」は突如として失われたのです。
一連の裁判の中で、麻原のことを「麻原尊師」と呼ぶ被告もいれば、自分の罪を後悔する被告もいて、態度の差に苛立(いらだ)ちを覚えたこともあります。
麻原らの死刑執行後も「区切りがついた」とは思いません。一連の事件では多くの方が犠牲になり、優秀な若者たちが死刑になる程の罪を犯しました。このような事件が二度と起きないことを願っています。

○決して他人事ではない。風化させてはならない
地下鉄サリン事件被害対策弁護団事務局長、オウム真理教犯罪被害者支援機構副理事長
中村裕二(なかむらゆうじ)弁護士
中村弁護士は、坂本弁護士一家殺害事件で亡くなられた坂本堤弁護士と司法修習生時代の同期。坂本弁護士一家殺害事件を契機に、オウム真理教による犯罪被害者の支援などを行っています。
平成7年1月、教団施設周辺でサリン残留物発見の報道を見て、「次はどこにサリンをまくのか」と、私たちは危惧していました。3月に地下鉄サリン事件が起きたとき、それまでに起きた松本サリン事件などの状況から、「オウム真理教の犯行だ」と確信。同時に「やられた」と思いました。
足立区は事件の沿線でもあります。皆さんには風化させないよう、周囲の人と事件の悲惨さを積極的に話してほしいです。いつ何が起きるか分かりません。決して他人事ではないのです。

◆高橋さんと中村弁護士が「地下鉄サリン事件から30年の集い」にご登壇
日時:3月15日(土)、午後0時15分から5時20分(予定)
※午前11時45分開場
場所:全電通労働会館(千代田区神田駿河台3丁目6番)
定員:420人(先着順)
費用:無料
申込:不要
※当日直接会場へ

問い合わせ先:未来市民法律事務所(中村弁護士)
【電話】042-724-5321
※本事業の主催は、オウム真理教犯罪被害者支援機構、地下鉄サリン事件被害者の会、オウム真理教被害対策弁護団

◆足立区は日本で唯一、条例を制定し後継団体に臨んでいます
平成22年、オウム真理教の後継団体アレフが区内に新たに進出。以降、区民の日常生活の平穏に対する脅威や不安感はぬぐいきれていません。区では、その不安感を取り除くための取り組みを行っています。

(1)「足立区反社会的団体の規制に関する条例」の制定(平成22年10月)
区は区民の安全と周辺住民の平穏な生活を確保することを目的とした条例を制定しました。条例に基づき、区がアレフに対して行った過料処分に関する裁判などで後継団体と闘っています。
主な内容:
・アレフに対し、活動状況や役職員の氏名、住所および役職名などに関する定期的な報告請求
・正当な理由なく報告を拒んだ場合は、過料に処するなど

(2)【新規】「足立区地下鉄サリン事件風化防止啓発推進条例」の制定(令和7年2月28日公布$00B7施行)
甚大な被害をもたらしたこの事件の風化を防止するため、区民に対して積極的な啓発を行い、事件への認識を深めることを目的として、30年の節目となる今年、制定しました。
主な内容:
・区は、事件発生の3月20日を中心に、その趣旨にふさわしい事業を実施する
・区は、国などに対し、事件の風化防止に関する積極的な働きかけを行う

(3)区民への啓発と支援
○若年層への注意喚起
「ヨガ教室」などを騙(かた)って、若年層をねらったアレフによる勧誘活動が現在も行われています。そのため区内の大学に入学した新1年生等を対象に、注意喚起のチラシなどを配布しています。
○住民協議会への支援>
前記(1)の条例に基づき、アレフの施設の周辺住民が組織する「足立入谷地域オウム真理教(アレフ)対策住民協議会」の活動に対して、補助金を交付しています。そのほか、住民協議会の会合に出席し、必要に応じて連携するなどの支援を行っています。
○「足立入谷地域オウム真理教(アレフ)対策住民協議会」のコメント
協議会では主に、国に対する観察処分期間の更新・撤廃を求める活動や、オウム真理教が引き起こした事件の風化を防ぐ活動を行っています。今後も地域の安全を守り、住民の不安感を取り除くために活動を継続していきます。

(4)区内警察署公安調査庁の取り組み
○区内警察署
主要鉄道事業者と警察による不審物発見訓練や、病院や商業施設などにオウム真理教事件風化防止ポスターの掲示をお願いするなどの取り組みを行っています。
○公安調査庁
オウム真理教について、施設への立入検査などの調査を行い、地方公共団体へその調査結果を提供したり、地域住民の方々との意見交換を実施したりしています。
この度、事件の風化防止・団体の危険性啓発のために、「オウム真理教問題デジタルアーカイブ」を制作しました。ぜひご覧ください。

◆地下鉄サリン事件から30年経過に伴うパネル展
事件から30年目の現在でも、被害者やそのご家族の悲しみや苦しみ、憤りが消えることはありません。二度とこのような凶悪事件を起こさないためにも、私たちの記憶に深く刻み、後世に引き継いでいく必要があります。区は、皆さんに地下鉄サリン事件やオウム真理教について知り、考えていただくため、事件当時の凄惨な様子などを収めた写真や資料を展示するパネル展を行います。ぜひ、お越しください。
期間:3月18日から27日
場所:区役所・1階区民ロビー
申込:不要
※当日直接会場へ

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問い合わせ先:危機管理課
【電話】03-3880-5075

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