■音楽の効果
新町クリニック医師 松原直美
音楽の存在は、高齢者施設や障がい者施設の音楽療法でも大きな効能を示しています。中々音楽に触れる事のできない環境の中で音楽の時間を通して、きっと眠っている脳の奥底にある機能が呼び起こされるのでしょう。歌う事、踊る事で体にもいい刺激が加わりそれまでの怠さがリセットされ活気が出てきます。
また、心拍数はbpⅿ(1分間の回数)で表現されますが、これは曲のテンポを示す単位と同じです。個人差はありますが正常な心拍数は1分間に60~100回ですので、例えばテンポ70bpⅿの曲を聴くとリラックス効果が得られます。故に音楽と身体は繋(つな)がっている訳です。
ふだん、好きな曲や思いがけず出逢(であ)った曲を耳にすると、無条件に気分や感情を取り巻く脳内の環境が瞬間的に変わります。努力や意志の強さも要らないので、その時の自分に合った心地良いマインドを無理なく楽に得られ曲を通して共感を得たり、昔感動した懐かしい出来事が想起される事で現在の辛さが緩和されます。孤独感も癒えます。
これは交感神経から副交感神経へのスイッチが起こり容易に自律神経のバランスを取る事ができる方法でもあります。そして安らぎや希望も自(おの)ずと湧きます。不健康なマインドから抜け出せる、現代文明が発達する以前の民族の時代から用いられて来たハッピーな健康法であると私は確信しています。また、愛する音楽を新町クリニックの近くの方々とも共有できるといいなと思っています。
問合せ:健康センター
【電話】23-2191
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