■前立腺がんの現状
足立医院院長 足立陽一
前立腺がんは年々増加しており、2022年には胃がんを抜いて男性のがん患者数第1位となりました。患者数が増加した背景は、食の欧米化、平均寿命の延長による高齢化もあると思いますが、一番の要因は診断技術の向上と、健診(PSA検査)の普及により早期に発見される患者さんが増加した事だと思います。
早期の前立腺がんでは自覚症状がほとんどなく発見が困難で、以前は進行し骨に転移をし、痛みで発見されるケースが多く予後の悪いがんでしたが、近年健診の普及により早期発見が可能となったため、患者数は増えましたが、予後のよい、根治可能ながんとなりました。その証拠にがんの予後を示す5年生存率、10年生存率ともに前立腺がんがすべてのがんの中で1位です。中でも、早期発見のステージI〜IIIでは10年生存率でも100%となっています。
前立腺がんは早期に発見し、早期治療すれば、日常生活やご自身の寿命に影響のないがんです。しかし、未だに健診を受けずに骨転移による疼痛(とうつう)を主訴に整形外科を受診し発見されるケースが見られます。50歳以上の男性はぜひ受けてください。
なお、市の国民健康保険に加入している方は、特定健康診査の時、費用は別にかかりますが、ご希望でPSA検査が受けられます。
問合せ:健康センター
【電話】23-2191
<この記事についてアンケートにご協力ください。>