日々感じた小さな想いを綴らせて頂きます。
■第41回『父は高原山を愛した。』
錦繍の秋。
好きなのは、この節からは大気が澄み渡り、遠くの連山が鮮やかに見えることだ。中でも高原山の幾つもの峰がなだらかに連なる山容は、与謝野晶子が東日本で最も美しいと何首もの歌を詠んだことでも知られる。
父は高原山を愛した。父の少年期、家は上松山にあったから、大田原の中学には毎日、その景色を望みながら遠路砂利道を自転車往復し、教職時代もこの山を近くに見惚れて過ごす人生だった。半ドンの夕刻や休日には、自分達を近くの里山や高原山へと連れ出してくれた。「自然は良い」と言いながら、山を歩くのだ。旬には山菜も採ったが、野鳥のさえずりを録ることに凝っていて、自宅では録音した鶯の声を再生しながら、ガリ版印刷の原稿を鉄筆で丁寧に刻んで刷り上げ、時間を見つけては絵筆を執っていた。描く水彩画は大抵、高原山だった。四季折々の山容を描いた作品は、相当の数に及ぶ。
高原山への深い想いは、我が胸にも。
さくら市長 花塚隆志
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