■ドイツの生活 パート3「住」
Leben(レベン)in(イン)Deutschland(ドイチュランド)(Wohnen(ヴォーネン))
3回にわたってドイツの衣食住についてご案内するシリーズの第3弾は、「住」について紹介します。
◆ドイツの住宅
ドイツの住宅事情をざっくりと見てみると、ドイツの住居に関する2021年の統計では、
・持ち家 28.67%
・持ちマンション 4.48%
・賃貸住宅 37.2%
・シェアハウス・コリビング 4.74%
となっています。
日本の持ち家率が全国平均で60%前後もあるようなので、それと比べるとドイツでの持ち家率は低いようですね。
◆ドイツの賃貸住宅
日本でも東京や大阪などの大都市と地方を比べると不動産の価格が異なるように、ドイツでも各地域での不動産の値段に大きな違いがあります。
2024年度の統計で、家賃が高い都市トップ10を見ていただきましょう。下のグラフは、ドイツ国内の都市の平米当たりの賃貸住宅の家賃を比較したものですが、ご覧のとおり、全国1位は、平米当たり21.81ユーロのミュンヘン、続いて18.69ユーロのベルリン、そして18.31ユーロのフランクフルトと続きます。4位以下は下記のとおりです:
4位 シュトゥットガルト 16.77ユーロ
5位 フライブルク 16.76ユーロ
6位 ハンブルク、ポツダム 16.00ユーロ
8位 ハイデルベルク 15.64ユーロ
9位 マインツ 15.58ユーロ
10位 ケルン 15.28ユーロ
(11月1日時点で1ユーロは約164円)
◆Ruhezeit(ルーへツァイト・静寂の時間)
いずれの土地においても、ドイツの人々は静かに暮らすということに重きをおいていますので、自宅での騒音には気をつけたほうが良いでしょう。というのも、賃貸契約書とともに渡されるHausordnung(ハウスオルドゥヌング)と呼ばれる書類がありますが、これは個々の集合住宅内での一般的な決まりを記したものです。この中には、ごみの捨て方や分別方法、共同物干し場の使用方法などについて書かれているほか、Ruhezeitの時間帯について記されています。Ruhezeitとは、壁のくぎ打ちやドリルによる穴あけなどの大きな騒音のもとになる行為のほか、洗濯機や掃除機の使用も控えるように、という指示がされる時間帯です。
個々の住宅によってこの時間帯は異なりますが、一般的にはお昼の12時から午後3時まで、そして午後6時から翌朝7時まではこの時間帯にあてはまるところが多いようです。
◆ドイツのエネルギー事情
最後に、ドイツの電気やガス、水道などのエネルギー供給についてです。
ドイツには、「Stadtwerke(シュタットヴェルケ)」という組織が各地に存在しています。Stadtwerkeは、19世紀後半以降、水道や交通、ガス、電力事業(発電・配電・小売)など、個人や民間では手当てできない市内のインフラ整備や運営を行うために発達してきた公的な事業体で、ドイツ全体で900程度存在します。私が住んでいたミュンヘンのStadtwerkeは、電力やガス、地域暖房・冷房、水道などを各家庭や事業体に供給するほか、四季を通じてオープンしている温水プールなどの事業を展開しています。
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