■~障がい者の就労支援についての研修・意見交換会~
市地域自立支援協議会の就労部会では、障がい者の就労の現状や課題について協議しています。今回は、8月に「就労支援」をテーマに開催した研修会についてご報告します。
就労支援とは、就職に必要な職業訓練(スキルアップなど)だけではなく、就労能力や適性を客観的に評価し、適切な就労の場へつながるようサポートすることです。市内、近隣市町には障がいのある方が利用できる就労支援事業所があります。この記事を通じて就労支援を身近に感じていただけたらと思います。
◆第1部 障がい者就労支援の研修
(1)支援学校の就労支援
県立国分寺特別支援学校の進路指導担当の先生にお話をいただきました。
支援学校では、高等部1年時から、福祉事業所での実習や就労アセスメントを繰り返し行いながら、自分自身の「働く力」を最大限に発揮できるように支援しています。卒業後は、障がい福祉サービス事業所を利用する方もいれば、一般企業へ障がい者枠で就労する方もいます。先生方は「その子にとっての豊かな生活とは何か」を第一に考えて、サポートしているそうです。生徒の個性に応じて、きめ細やかな支援をすることの大切さを学びました。
(2)一般就労へのステップアップ
障がい福祉サービスで就労訓練を受けていた利用者が、一般企業の障がい者枠で就労した事例を県南圏域障害者就業・生活支援センター「めーぷる」より紹介していただきました。「めーぷる」は働くことと、生活することを一体的にサポートする機関です。利用者と企業の「橋渡し」的な役割も担っています。
就労先で長く働くためには、以下の手順で準備をすることが大切です。
1)食べる、寝るなどの生活基盤を整える
2)あいさつ、「報・連・相」などの対人スキルを磨く
3)作業能力の向上
現場で就労訓練に携わっている支援員は、毎日利用者と対話を重ね、ご本人らしさを再発見できるようお手伝いをするという、重要な役割を担っていると感じました。
◆第2部 就労支援施設の交流
研修会に参加したメンバーで、日々の取り組みや課題について意見交換をしました。グループワークでは、日頃頑張っていること、困っていることを題材に話し合いが行われました。さらに、どのようにして生産性を上げていくか、利用者のやる気をどう支えて向き合っていくかなど、各事業所が工夫していることについて意見交換をしました。
また、就労支援事業所から一般就労(障がい者雇用)に結びつけるために、利用者の「働く力」を最大限に発揮できるように支援する必要性についても議論されました。
◆まとめ
研修に参加し、障がい者の就労支援とは作業訓練だけではなく、生活訓練もサポートすることだと再認識できました。障がい者の法定雇用率が上がり、就労を希望する方や、障がい者雇用の求人数は増えると予想されます。さらに、就労選択支援制度が新たに導入予定です(令和7年10月1日施行予定)。これは、障がいのある方が就労先や働き方について、よりご本人に合った選択ができるよう就労アセスメントの考え方を活用して、就労能力や適性などに合った選択を支援する新たな福祉サービスです。今後もこのような研修を重ねることで、関連機関との横のつながりを深め、事業所として、支援員としてのスキルの底上げを図っていきます。
問い合わせ先:社会福祉課
【電話】32-8900
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