獨協医科大学病院が壬生町に開院して今年で50年。
“獨協”は三次救急医療施設として高度な医療体制を備え、壬生町民の生命を守る最後のとりでとしてだけではなく、町と共同で『壬生町健康大学』を開講するなど、町民の健康意識の高揚を図っています。
壬生町民には無くてはならない、身近な存在ですが、実は知らない獨協医科大学病院のことを、隔月連載で紹介しています。
第五回は獨協医科大学病院消化器内科入澤篤志教授から紹介してもらいます。
■教えて!入澤教授
▽消化器内科の疾患にはどのような疾患がありますか。
「消化器は、消化管(食道、胃、小腸、大腸)、肝臓、胆道、膵臓に区分されます。各々の臓器で様々な疾患があります。やはり問題となるのは癌であり、どの臓器にも発生します。また、疾患は癌だけではなく、逆流性食道炎や胃潰瘍、胆管炎、膵炎、潰瘍性大腸炎などの良性疾患もあります。
これらの疾患の診断や治療に、内視鏡は重要な役割を果たしています。」
▽消化器に関連する内臓の変化に気付くポイントなどあったら教えてください。
「消化器は、その名の通り、食事内容を消化して栄養を確保する臓器です。また、肝臓は、体で発生した様々な老廃物を処理する機能(解毒機能のようなもの)も持っています。従って、これら機能の働きが悪くなると、食欲低下・体重減少、下痢・便秘、嘔吐などの症状がでます。また、各々の臓器に傷が付いたりすると、腹痛や吐血・下血などの症状もでます。何ごとも早期診断が重要ですので、少しでも症状があれば早めに受診しましょう。」
▽消化にやさしい食べ物や意識して摂った方がよい食べ物はありますか。胃腸や肝臓などを健康に保つためのアドバイスをお願いします。
「基本的にはバランスの良い食事をしてください。特に、食物繊維(野菜など)をしっかり摂取しましょう。また、あまり刺激物を摂りすぎないことは大事です。アルコールの飲み過ぎは、肝臓や膵臓を壊してしまいますので、適量(男性は1日40g、女性は1日20gが目安です。例:500mlビールでアルコール5%の場合、500(全体の量)×0.05(アルコール濃度)×0.8(係数)=20g)を考えて楽しく飲んでください。」
▽最後に壬生町の印象・好きなところを教えてください。
「私は学生時代の6年間を壬生町で過ごし、その後は出身県に戻りましたが、平成30年に30年ぶりに壬生町に帰ってきました。当時とは町全体の様相はかなり変わりましたが、町民の皆様の温かさ・優しさはそのままです。私の第二の故郷として、医療の面から壬生町の発展に尽力したいと思っています。」
○プロフィール
入澤 篤志
福島県会津若松市出身
H1.3 獨協医科大学卒業
H1.5 福島県立医科大学消化器内科で研修
H10.3 米国フロリダ大学シャンズ病院超音波内視鏡センター
H19.4 福島県立医科大学消化器内科准教授
H25.4 福島県立医科大学会津医療センター消化器内科教授
H30.4 獨協医科大学消化器内科主任教授
R4.4 獨協医科大学病院副院長
現在に至る
獨協医科大学病院
〒321-0293 北小林880番地
【電話】86-1111(代表)
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