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黒羽芭蕉の館だより 第96回

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栃木県大田原市

■芭蕉句碑拓本「野を横に」
今回は、松尾芭蕉句碑の拓本「野を横に馬牽(ひき)むけよほとゝぎす」を紹介します。掛軸に仕立てられており、本紙の寸法は、縦99・6cm、横26・9cmです。
上五「野を横に」の「を」と「に」は、それぞれ「越」・「耳」を字母とした平仮名で、中七・下五の「よ」と「ほ」は、「与」・「本」を字母としています。署名の「はせを」は、「ばしょう」と読みます。「は」の字母は「者」、「を」の字母は「越」です。
句碑は黒羽向町の常念寺(浄土宗)の山門前に立っており(碑高140cm)、大田原市指定文化財です。江戸時代の建立と伝わり、書は芭蕉真蹟(しんせ)きの可能性も指摘されています。
句意は、広い那須野を馬の背に揺られながら行く途中、ほととぎすの鳴き声がしたので、その声のする方へ馬を横に引き向けてくれ、となります。「ほとゝぎす」が夏の季語です。元禄2年(1689)の句で、出典は『おくのほそ道』などです。同書では、黒羽(余瀬)を出て、殺生石を目指す途中、馬子に短冊を所望されてこの句を詠んだとされています。
本作品は、芭蕉展示室で展示中です。

問合せ:黒羽芭蕉の館
【電話】0287-54-4151

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