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なす風土記ものがたり vol.59

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栃木県大田原市

■民俗資料が語るもの
かつて、農具などの鉄製部分は、農(野)鍛冶(村の鍛冶屋)が、製作・修理を担っていました。日本の農業を陰で支えてきた存在です。その鍛冶屋で使用されたのが、「鞴(ふいご)」と呼ばれる、火力を強めるための送風装置です。当館にも旧湯津上村時代に、地元の方から寄贈された鞴が所蔵されています。
さて、二年ほど前、市外在住の方から資料(古写真)寄贈の申し入れがありました。その方は旧黒羽町出身で、父親が鉄工所を営んでいました。父親の実家は、旧小川町で農鍛冶をしていたそうです。父親の兄弟達は、一人が家業を継ぎ、他は旧小川町・旧湯津上村・旧黒羽町(父親)で、それぞれ鉄関係の仕事に就きました。そして、旧湯津上村で農鍛冶を始めたのが、当館所蔵の鞴の寄贈者宅であることが分かりました。
資料には、資料そのものの情報(作りや使用方法など)と、資料の背景にある情報(所有者や受け継がれた経緯など)があります。
資料一つ一つは独立したモノでも、この鞴のように、背景にある情報から繋がることがあります。こうした積み重ねによって、地域の歴史がみえてくるのです。

問合せ:大田原市歴史民俗資料館
【電話】0287-98-2151

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