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黒羽芭蕉の館だより 第97回

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栃木県大田原市

■芭蕉句碑拓本「木つゝきも」
今回は、松尾芭蕉句碑の拓本「木つゝきもいほはやぶらず夏こだち」を紹介します。右下には「芭蕉翁」と見えます。掛軸に仕立てられており、本紙の寸法は、縦78・0cm、横31・7cmです。
上五「木つゝきも」の「き」は、「起」を字母とした平仮名で、中七の「いほ」は「以本」を字母とし、下五の「だ(た)」は「多」を字母としています。
句碑は、大田原市雲岩寺の雲巌寺(臨済宗)の境内に立っており(碑高119cm)、仏頂禅師(ぶっちょうぜんじ)の歌も併刻されています。享和3年(1803)同寺第51世毛堂智億(もうどうちおく)により建立された句碑が、明治12年(1879)、同寺第55世大愚慧祥(たいぐえしょう)らによって再建されたものです。
句意は、寺をつつき壊すと言われる啄木鳥(きつつき)も、この庵(いおり)だけは壊さなかったと見え、夏木立の中に姿を保っている、となります。季語は「夏こだち」で、夏です。芭蕉が元禄2年4月5日(1689年5月23日)、雲巌寺に詣で、参禅の師仏頂禅師がかつて仏道修行をした庵を訪れて、詠んだ一句です。
本作品は、芭蕉展示室で展示中です。

問合せ:黒羽芭蕉の館
【電話】0287-54-4151

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