■御腰物帳(おんこしものちょう)(那須家資料)
今回は、718点ある那須家資料の中から「御腰物帳」を紹介します。
「御腰物帳」は、延宝8年(1680)12月に書かれた資料で、当時那須家が持っていた腰物(腰に帯びるもの。この場合刀剣類)を記録した帳簿です。法量は縦28.4cm、横20.0cmです。
本資料には、「成高御太刀(しげたかおんたち)」を筆頭に、一文字助真(いちもんじすけざね)(鎌倉時代後期の福岡一文字派)、守家(もりいえ)(鎌倉時代後期の畠田派(はたけだは)の祖)、青江末次(あおえすえつぐ)(南北朝時代の青江派)など、太刀(たち)3口ふり、刀19口、居合刀(いあいとう)1口、小刀(こがたな)3口、脇差(わきざし)16口、剣(けん)1口、鎧通(よろいどおし)3口の名前が記されています。
本資料を作成した翌々月、那須家は那須藩(福原陣屋(ふくわらじんや)。1万2千石)から烏山藩(からすやまはん)(烏山城。2万石)に移りました。
そのため本資料は、烏山へ引っ越すにあたって作成したと考えられます。
なお、本資料に掲載された腰物のうち、現存するのは「成高御太刀」のみです。それ以外については、他家や家臣に譲渡したほか、改易や明治維新など、時代が変わりゆく中で行方がわからなくなったと考えられます。
さて、この「成高御太刀」ですが、4月27日(土)に開幕する展示会「平安から現代の名刀」で公開します。この機会に、ぜひご覧ください。
問合せ:那須与一伝承館
【電話】0287-20-0220
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