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はつらつ宮っこ

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栃木県宇都宮市

ID:1008394

人の光と影 作品で多様性を伝える

今年開催された「第24回高校生国際美術展」美術の部で、寺川満美さんが、最高賞であるプリンス・オブ・ウェールズ・ファウンデーション賞を受賞しました。
この大会は、豊かな才能を育て上げ、芸術を通して高校生の国際交流を深め、国際社会に貢献できる人材を育てていくことを目的としています。審査対象は、書の部と美術の部があり、今回、寺川さんは、美術の部で、彫刻と絵画作品1312点の中から、審査を経て、最高賞を受賞しました。賞状とメダルを手にした寺川さんは、「結果発表の時、自分の名前が一番上に書いてあり、驚きを隠せなかった。すぐに信じることができなかった」と振り返ります。
プリンス・オブ・ウェールズ・ファウンデーション賞を受賞した作品「variety」は、白いレース状の菌網(きんもう)をまとう姿が美しいと言われているキノコの女王、キヌガサタケがモチーフです。高さ149cmの彫刻で、毛糸と和紙で作られた傘の部分には、多数の穴が空いています。不ぞろいの穴からは、女性の石こう像の顔がのぞきます。茎の部分は、段ボールと新聞紙で成形し、その上から布を被せて、表現しました。
「作品に光を強く照らすと、人物に光が当たり、影ができる。人は、光の数だけさまざまな面があり、陰もあるので、そういった多面性を表したかった」と語る寺川さん。
審査員からは、「光と影から、人が持っている多面性を表し、さまざまな素材を使うことによって、多様性が表されている。今の時代を表現しており、見る人にそれぞれのイメージを持たせることができる作品」と評価されました。
幼い頃から絵を描くことが好きだった寺川さんは、高校から立体構造に興味を持ち始めました。「自分の頭の中の創造や空想を実現することができる。立体だと触ることができるので面白い」と立体構造の魅力を笑顔で話します。
今後について、「美術の大学に入り、専門的に彫刻を学びたい。自分の造りたいものを明確に具現化するために、技術を上げたい」と目を輝かせます。
現状に満足せずに、技術を磨き続ける寺川さん。今後も、作品と真剣に向き合うことによって、たくさんの人にメッセージを伝えていきます。

作新学院高等学校 美術デザイン科3年 寺川満美(てらかわばんび)さん
プロフィール
幼少期から絵を描くことが好きで、中学・高校では美術部に所属。高校では、立体造形に興味を持ち、美術デザイン科を選択。2年からは、総合デザインを専攻し、作品を作り続けている。

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