■給食ができるまで
給食はどのように作られているか知っていますか?
実は、給食のトレーが子どもたちの机に運ばれるまでには、長い時間と多くの手間がかかっています。今回はそんな給食ができあがるまでの道のりを簡単にご案内します。
◇生産
お米、肉、野菜、魚、牛乳。小山市を中心に全国各地で作られる(採れる)食材たち。
ここが給食のスタート地点です。
◇受け入れ
毎日学校へ、たくさんの新鮮な食材が届きます。
・実は…
昨年、給食で使用した食材の78.7%が栃木県産!
◇下処理
皮をむいて、切って、洗って。
野菜は三度洗いが基本です。
◇調理
焼いたり、蒸したり、煮込んだり。
食中毒防止のため、加熱調理が原則。中心温度までしっかり測ります。
・知っていましたか?
和食に慣れ親しんでほしいから、給食では昆布や煮干しなどの天然素材から時間をかけて出汁をとっています。
◇検食
校長先生は、子どもたちが食べる30分前までに給食を食べ、味や安全性を確認し、結果を記録します。
◇配膳
ワゴンで運ばれてきた給食をみんなに配膳すれば「いただきます」はもうすぐ。
■給食を支える影のヒーローたち
給食ができるまでには、たくさんの人が関わっています。かげながら汗を流している人がいます。普段は表舞台には立たないけれど、給食にとって、なくてはならない人たちです。今回はそんなヒーローたちを少しだけご紹介します。
◆01 栄養教諭・学校栄養職員
田村 安江(たむらやすえ)さん(大谷北小学校 栄養教諭)、青木 八末子(あおきやすこ)さん(大谷中学校 栄養教諭)、床井 華奈(とこいかな)さん(小山中学校 学校栄養職員)
▽毎日の給食を当たり前にする仕事
栄養バランスのとれた献立の作成、食材発注、調理手順書の作成、衛生管理などが栄養教諭・学校栄養職員さんたちのお仕事。食べ残しの残量をチェック・計測して、子どもたちがしっかり栄養をとれているかを計算、未来の給食をもっと良い給食へするため、今までの献立の見直しなども行っています。
▽ワクワクする献立を考えよう
「給食があると毎日がワクワクする」そんな気持ちになってもらえるように、食材・調理法などバラエティに富んだ栄養満点のおいしい献立をみんなで考えています。(左写真は献立作成会の様子)一番の喜びは「満杯の容器が空っぽで返ってきたとき」と皆さんは口を揃えて話します。そんな給食にできるよう、仲間とみんなで話し合いを行っています。
▽みんなで給食を楽しむための安全対策を
安全に給食を提供することが大前提。だからこそ、特に食物アレルギー対策は重要です。管理職や担任の先生、養護教諭と一緒に学校全体で取り組み、食品の検収や調理、受け渡し、配膳の工程ごとに複数人でチェックを行っています。楽しい給食の時間だからこそみんなで楽しめるよう学校全体で対策を行っています。
▽身体と心のための食育授業
右写真は、バイキング形式での食事の際に、バランスのとれた食事になるよう料理を選択できるかという食育授業の風景です。子ども自らが、自分の健康を考えて食事を選択することは身体の成長だけでなく心の成長にも大切なこと。宿泊学習で実際にバイキングを体験してきた子どもから「きちんとできたよ」という報告を聞くと、子どもたちの成長を感じることができるそうです。
◆02 有機米生産者
鈴木ファーム 農場長 鈴木 光国(すずきみつくに)さん
▽雑草に負けない土作り
「建物と同じように基礎が大事」と鈴木さんは話します。有機米を作る上での一番の難敵は雑草。その雑草の発生を極力抑えつつも栄養のある土にし、稲が雑草に負けないようにしなければなりません。田植え前には雑草を抑制する代掻(しろか)き(※)、収穫後の10月には、舞茸の菌床を土に混ぜ栄養のある土にする作業(右写真下段)に取り組んでいました。鈴木さんは、3年目の有機米の生産に向け、手間を惜しまず取り組んでいます。
※水を張った状態で田んぼの土をかき混ぜる作業のことで、雑草の種を深く埋め込むことで雑草の発芽を抑える効果があります。鈴木さんの有機農業の水田では通常より深く代掻きを行い、より深く雑草の種を地中に埋め込んでいます。
▽お米はおいしいよって感じてもらいたい
「小さい頃に食べたご飯の思い出って、特別だと思うんですよ」と鈴木さんは話します。学校給食にも出る鈴木さんの有機米。その味の評判は「甘味が強く、冷めてもおいしい」とのこと。一昔前よりお米の消費量が減っていることを懸念しつつ「お米を食べてお米を好きになってくれると嬉しい」と鈴木さんは語ってくれました。
◆03 おやま和牛生産者
松本 一男(まつもとかずお)さん(JAおやま 肥育牛部会 部会長)
▽小山の自然が育む和牛
3等級(A3)以上の牛肉だけが、名乗ることができるおやま和牛。小山ブランドであり、品評会で選ばれるなど全国でも評価の高い牛肉です。そんな高品質な和牛が小山で育つ理由を松本さんは「地下水が豊かな地域なので牛はきれいな水を飲むことができます。また、稲作も盛んな土地のため、牛に良質な稲わらを与えることができます(左写真下段)。牛は草食動物、良質な稲わらは、牛の胃もたれを予防し、元気よく成長させることができるんです」と語ってくれました。
▽それぞれの個性に合わせた育て方
「牛にもそれぞれ個性があります。ひとりが好きな牛、仲間と一緒が好きな牛。牛同士の相性もあります。牛を観察しながら、なるべくストレスが無いように育てています」と松本さんは話します。松本さんは、おやま和牛の魅力の一つを、高品質でありつつも価格が比較的お手頃な点だと言います。「すき焼き、せいろ蒸しがおすすめ。一度食べてみて、小山にこんなおいしい和牛があることを知ってもらいたいですね」とメッセージを伝えてくれました。
※写真は本紙をご覧ください。
問合せ:
学校教育課【電話】22-9653
農政課【電話】22-9269
<この記事についてアンケートにご協力ください。>