多くの人を惹きつけるバルーン(熱気球)。その魅力は何なのか。令和5年11月11日(土)・12日(日)に行われた第30回おやまバルーンフェスタには寒空の下に早朝から多くの人が集まっていました。そこには主催者のバルーンにかける熱い思いや子ども達の希望に満ちた温かい空気がありました。
風の影響を受けやすいバルーン(熱気球)。バルーンをロープで地上につないだ状態で離陸、浮遊、着陸を体験する体験搭乗では風速2メートル、実際に飛び立つフライトでは風速4メートルくらいから実施が難しくなるといいます。それは日常生活で「風が強いな」と感じるレベルよりもっと弱いレベルの風。バルーンフェスタ当日も予定されたプログラムのうち複数のバルーンが一斉に飛び立つ競技フライトが中止に。しかし、だからこそ会場には一体感が生まれていました。体験搭乗では主催者や関係者の飛ばしたい、多くの人を乗せてあげたいという気持ちと、来場者の飛んでほしいという気持ちが大きなバルーン一点に向けられ、会場からは『頑張れ』という声にならない大声援が聞こえるようでした。
多くの人を惹きつけるバルーン。市内ではバルーンフェスタ当日だけでなく、体験搭乗できる機会があります。小山バルーンクラブが主催する体験搭乗は毎月小山総合公園で行われています。日時等の詳細はFacebook「おやまバルーンフェスタ」のページで確認できます。冬の澄んだ空でのバルーン体験は格別です。お子さんの体験についても、一人で立てるくらいであれば可能ということなので、ご家族で乗ってみてはいかがでしょうか。間近で見るバルーンの大きさとゴーと唸るようなバーナーの音、ふわっと宙に浮かぶ感覚は体験した人にしかわからない特別な思い出となるのではないでしょうか。
◆子どもたちとまちづくりのために
バルーンとの出会いは、間々田商工会青年部に所属しているときに「小山に名物となるイベントを!」と開催されたバルーンフェスタの第2回目に携わったのがきっかけだと話す、おやまバルーンクラブの代表であり、バルーンフェスタ実行委員長を務める嶋田積男さん。それから30年以上おやまのバルーンに携わっています。
長年にわたり活動を継続できる原動力は何か。「子どもたちのため、まちづくりのためという気持ちでやっています。ほら、この子どもたちのキラキラした顔を見てみて」そう話す嶋田さんの目線の先にはバルーンを見ながら楽しそうにお絵かきを楽しむ子どもたちの姿がありました。多くの子どもたちにワクワクを届けるバルーンですが、おやまバルーンクラブでは会員、特にパイロットが少ないと話します。
搭乗時には安全にフライトできるように操作するのはもちろん、みんなを楽しませてくれるガイドも担うパイロットはとても重要な存在です。人手が少ない中でもこうして続けられるのは多くの人の助けがあるからだと話します。第30回おやまバルーンフェスタ当日は東京学芸大学の熱気球クラブの学生や市内の高校生がボランティアに参加していました。こうして地域の人と人を繋いでくれるバルーンの存在の大きさと、それを支える多くの人達の努力を感じました。(おやまバルーンクラブに興味がある方は嶋田さんにご連絡ください)
嶋田 積男(しまだせきお)さん
【電話】090-3577-4759
◆会場レポート
おやまバルーンフェスタに来ていた方にお話を聞きました。
・息子の「バルーン乗りたい」の一言で、朝6時頃から来ています。今日がバルーンデビューです。
・毎年楽しみに来ています。いつも子どもたちがお絵かきをしていますが、来年はみんなで乗ってみたいと思います。
・バルーンに乗ってみたくて、千葉県から泊りで2日間来ています。1日目のナイトグローでは風の影響で球皮(風船部分)は出せなかったけど、バーナーによる炎と花火のコラボレーションがよかったです。球皮がないことによって通常より間近で見ることができとても迫力がありました。
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