■いちご農家さんに聞きました いちごの魅力
◆JAおやまいちご部会 部会長 関寿雄(せきひさお)さん
いちご農家を営んでいる両親のもとに生まれ、父母は言わなかったものの、祖母から「お前は後継ぎだよ」と言われて育った関さんは、いちごを食べるのも大好きで、自然といちご栽培に親しむようになりました。
大学では農学部農学科で農業を学び、現在もいちご栽培に情熱を注いでいます。3人の娘さんもいちごが大好きで、彼女たちにおいしいいちごを食べさせるために、日々努力を続けています。
▽いちご栽培の魅力
いちご栽培は体力勝負の面があり、関さんは腰痛を抱えながら作業を行っています。無理をせず、仕事量を通常の3分の2や半分程度に抑え、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れて健康管理に努めています。
一方で、いちごの手入れには大きなやりがいを感じています。収穫も楽しいですが、特に手入れをしている時間が癒しのひとときだといいます。多くの人が面倒だと感じる作業も、いちごに触れていると心が落ち着き、体が許す限り長くこの仕事を続けたいと語ってくれました。
▽収穫の様子
関さんは、収穫量を減らし、自分のできる範囲でいちご作りを楽しむことを心掛けています。疲れないように工夫し、いちご以外の趣味も楽しむ時間を持つようにしているそうです。いちご栽培を長く続けていくための秘訣なのかもしれません。
▽とちおとめの魅力
関さんの好きないちごの品種はとちおとめです。
酸味と甘みのバランスや香りが特に良く、おいしいとちおとめは食べた後にバラの香りがするのだそうです。関さんは毎日いちごを食べて糖度をチェックし、安定したおいしさを保つための管理を欠かしません。
▽挑戦 とちおとめからとちあいかへ
現在はとちおとめを主に栽培しており、昨年からとちあいかにも挑戦しましたが、台風の被害もありうまくいきませんでした。しかし、失敗を通じて学び、次に生かしていく考えです。
今後は、収穫量や作業量を考慮し、とちあいかに重きを置く予定です。昨年の失敗を糧にして、さらに良い栽培方法を追求し、広げていきたいと話してくれました。
▽いちご栽培のこれから
近年、栃木県では、新規就農者の増加を目的として、JAと連携して取り組みを強化しており、毎年新しい農家を募集しています。素人の方も多く、県の振興事務所のサポートを受けたり、農家さんを紹介してもらって見学したり、知識を学ぶ機会が多く設けられ、相談も気軽にできる環境が整っています。
関さんは、昨年の8月からいちご部会の部会長となり、同じように悩みを抱える新規就農者の相談にも乗る立場となりました。今後は、自分が学んできたことを次の世代に伝えることができればと話してくれました。
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