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元気予報

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栃木県日光市

■めまい 〜中高年は要注意〜

めまいは比較的多くの人が経験する症状であり、その原因もさまざまです。症状が一時的に強くても時間とともに軽快する人が大多数です。しかし、めまいは生命に関係する脳血管疾患や脳腫瘍の兆候として重要な場合があります。

特に、脳卒中や一過性脳虚血発作などの脳血管疾患は、動脈硬化を基盤に起こりますので、中高年の方には注意が必要です。

めまいには、自分や周りの人や物がまわるように感じる「回転性めまい」と、自分がフラフラする、体が揺れる感じのする「動揺性めまい」があります。以前は「回転性めまい」は、メニエール病に代表される内耳性の病気、「動揺性めまい」は、脳神経系の病気というように考えられていましたが、これは必ずしも正しくありません。脳の病気でも急激に発症する場合には、回転性めまいを認めることがあります。また、一つの重要なポイントとして、難聴や耳鳴りを伴う場合は内耳性のめまいを考えます。

めまいを起こす脳血管疾患のうち、注目する必要があるものには、脳出血(特に小脳出血)、一過性脳虚血発作があります。小脳出血では、めまいとともに激しい嘔吐と後頭部痛が出現し、通常の歩行が困難になります。症状が数分から数十分、長くても24時間以内に治まる場合を「一過性虚血発作」といいますが、一過性でも後々に、脳梗塞を起こす危険性もありますので、放置は禁物です。

脳以外の原因として、起立性の低血圧や不整脈などの心臓病でも、立ちくらみや目の前がフーッと暗くなるめまいが出現します。また、一定の頭の位置で回転性めまいが起こる「良性発作性頭位変換めまい症」という病気もあります。

めまいを感じたら、その症状の特徴をとらえて医療機関を受診しましょう。そして何より、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの動脈硬化の危険因子をできる限り減らす生活を心掛けることが、脳血管疾患の予防につながります。

上都賀郡市北部地区医師会幹事(日光地区)
小西医院
小西 清二(こにしせいじ)

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