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キラリ輝く日光に生きる人々「輝き人」vol.60

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栃木県日光市

■アニメを通して「好き」をつなげる
〇ジェネラリスト/TD(テクニカルディレクター)
高賀茂 寛人(たかかもひろと)さん

2010年に内閣府が発表した「クールジャパン」を先導しているアニメ業界。そんなアニメ業界で、すずめの戸締まり、銀河英雄伝説や映画ドラえもんなど、さまざまな作品で活躍する日光市出身の高賀茂さんにお話を伺いました。

◆アニメ業界を目指したきっかけは?
今市で育ち、中学・高校時代から絵を描くことが得意で美術部に所属していました。母が録画したアニメーション映画「AKIRA」を見て、アニメーション業界に興味を持ち、東京工芸大学のアニメーション学科に進学しました。その時に、押井守(おしいまもる)監督のアニメーション映画「立喰師列伝(たちぐいしれつでん)」にアルバイト生として参加し、初めての制作活動を行いました。劇場で自分の名前が載ったエンドロールを見たときの感動は、今でも覚えています。

◆ジェネラリスト・TDとは?
アニメ業界のジェネラリストは、3DCGに必要な全工程を一人で行える人のことです。一つの指示内容を基に一から作るため、大変なこともあります。
例えば、 「ブラックホール」の制作を指示されたときは、ブラックホールの論文を調べることから始めました。小物一つにしても、「この時代に存在していたものか」など、各アニメの世界観や背景に合わせて制作しています。そのため、膨大な知識が必要であり、さまざまなものを参考にしています。
また、TDは、技術スタッフを統括する役職名を指します。私は作品によっては、TDを担当することもあります。
現在は、株式会社プロダクション・アイジーと株式会社カラーでフリーランスとして活動し、テレビアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の制作にも参加していました。

◆仕事への思い
好きなことをやれている現状に満足しています。しかし、入社して終わりではなくて、芸術は一生をかけて切磋琢磨していくものだと思っているので、いいものを作ろうと常に突き詰めています。
良い作品を作れば、多くのお客さんやファンの方が見てくれるので、そこにもやりがいを感じています。

◆制作に影響を与えるもの
経験したものすべてが礎(いしずえ)となっていると思います。経験したものでなければ描くことは難しいので、幼少期に市の自然に囲まれていた経験も生きていると思います。歩くだけで移り行く自然を楽しめて、東京ではできない経験を積めました。

◆将来像は?
現在は迷っているところです。ジェネラリストとしてのスキルを伸ばすのか、自分の好きなことをするかの分岐点にいます。スキル的には、プレーヤーとしてアニメーションを創る能力を伸ばしていきたいと思っています。そして、ファンや見てくれる人のためにも、ちょっとしたものでも新しい要素を取り入れていきたいです。
今はただ、アニメーションを作り続けていきたいです。

■インタビューを終えて
アニメーション製作に対する熱い想いを語ってくれた高賀茂さん。製作に対する探究心の強さから、好きだからこそ発揮できる力があり、それが武器になっていると感じました。
世界規模で人気を得ている日本のアニメ。その陰には熱い想いを抱いた市出身の仕事人の存在がありました。

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