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栃木県日光市

■癌(がん)とどう向き合うか

日本人が一生のうちに癌と診断される確率は、男性66・5%、女性51・2%であり、ともに2人に1人以上です。その一方で、日本人の死因1位は、悪性新生物27・6%で4人に1人以上です。

かつて「癌=不治の病」と恐れられ、癌を発症すること自体、非常に悲観的に受け止められていました。自分が医師になった当時は、癌と診断されても家族の希望などで、本人には告知しないことが多かった記憶があります。しかし、前述の通り、今や誰もが癌を発症してもおかしくない時代です。そのため、予防法、早期発見の方法、治療法など、癌に関するさまざまな知識を得ておくことが、癌による死亡を少しでも減らすために大切だと思います。

実際は、多くの癌で早期に発見すれば約90%が治ります。しかし、見つけることができる1~2センチの癌では、自覚症状はまず出ません。つまり、早期で癌を見つけるためには、定期的に検診を受けるしかないのです。

現在、国が推奨している癌検診は胃癌・肺癌・大腸癌・子宮頸癌・乳癌の5つで、対象年齢と受診間隔はそれぞれ決められていますので、検診の受診を習慣化することをおすすめします。

癌にならないための生活習慣もいろいろな研究でわかってきました。タバコは吸う人にも吸わない人にも良くないことは周知の事実ですが、お酒や食生活、適度な運動や体重管理、ストレスの軽減など、バランスの良い生活を送って癌を予防したいものです。

もし癌にかかったとしても、癌治療も進歩しています。血液の癌を除いて手術療法が第一選択の治療法ですが、薬物療法・放射線療法などと2つ以上の治療法を組み合わせる場合もあります。患者の遺伝子を調べて、体質に合った副作用の少ない治療を行うオーダーメイド治療などもあり、進行した癌にも効果を発揮しています。

癌になる可能性は誰にでもあるので、正しい知識を持って向き合うことが必要だと思います。

上都賀郡市北部地区医師会幹事(今市地区)
英静会 森病院
森 亮善(もりりょうぜん)

※次回の元気予報は、令和6年5月号から掲載します。

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