市は、令和3年度に「長期財政の収支見通し※」を改訂し、令和10年度に収支がマイナスとなることが予測されたことから、財政健全化に向けて2つの目標を定め、歳入確保や歳出削減に向けて取り組んでいます。
今回は令和4年度の決算状況と今後の見通しをお知らせします。
※長期財政の収支見通し…これまでの決算傾向から、財政健全化の取り組みを実施しなかった場合を推計したもの
■赤字転落を防ぐための2つの目標
(1)経常収支比率を、令和7年度に96%未満とする(令和4年度実績97.3%)
(2)市の貯金である財政調整基金※を、令和7年度に15億円以上確保する(令和4年度実績26億円)
※財政調整基金…財源に余裕がある年に積み立て、不足する年に取り崩すことで年度間の調整を行い、健全な財政運営を行うための貯金のことです。災害など不測の事態に備えるものであることから、市民の皆さんが安心して生活できるよう、一定額の確保が不可欠です。
◆経常収支比率ってなんだろう?
地方税、地方交付税などの経常的な一般財源を、人件費、扶助費、公債費などの経常経費にどの程度充てられているかを示す指標のこと。
一般的な家庭のお金に置き換えると、下の計算式で表せます。
この値が100%を超えると、経常的な支出を経常的な収入で賄(まかな)えず、貯金を取り崩したり、お金を借りたりしながら生活する状況となってしまいます。
■財政健全化に向けた取り組み状況
財政健全化に向けた2つの目標を達成するために、毎年度1.5億円の増収・財政効果を生み出す施策を展開することとしており、令和4年度は目標を上回る2.2億円の財政効果を生み出すことができました。
▽令和4年度の財政健全化に向けた施策の効果
(単位:億円)
▽主な取り組み内容
・公共施設の統廃合など公共施設マネジメントの推進
・内部留保資金を抱える団体への補助金の見直し
こうした取り組みにより、持続可能な財政基盤を確立し、市が掲げる3つの重点プロジェクト(産業振興、互助共助、教育)を推進していきます。
■令和4年度の決算状況
寄附金(ふるさと納税)や国から交付されるお金(地方交付税)が増加したため、長期財政の収支見通しにおける収支見込みから約15億円の改善となりました。
◆寄附金(ふるさと納税)
(単位:億円)
〇寄附金(ふるさと納税)の増額要因
・日光市を取り扱う、ふるさと納税ポータルサイトを1サイト追加
・宿泊券などの返礼品が多く選ばれている
◆地方交付税
(単位:億円)
〇地方交付税※の増額要因
・経済対策に必要な経費分を国が追加で交付
※地方交付税…市などの地方公共団体の財源不足を補うため、国から交付されるお金
◆経常収支比率の推移(%)
・目標…経常収支比率を令和7年度に96%未満とする
・令和4年度実績…97.3%(県内14市平均91.3%)
・数値が悪化した理由…物価高騰による光熱水費などの支出の増加
◎物価高騰の影響により、令和5年度も悪化が見込まれます
◆財政調整基金年度末残高の推移(億円)
・目標…財政調整基金を令和7年度に15億円以上確保する
・令和4年度末残高…26億円
・取り崩を留保できた理由…令和3年度に引き続き、令和4年度も国からコロナ対策に必要な財源が交付されたため、取り崩しをしないで済みました
<この記事についてアンケートにご協力ください。>