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栃木県日光市

■ビタミンの話(6)

ビタミンBには、ビタミンB1からB12まで数多くの種類が含まれます。当初「ビタミンB」と名付けたものの、その中にたくさんの種類が存在していることがのちに判明したためです。

前回はビタミンB1からB3までお話ししました。3の次は4だからビタミンB4?となりますが、ビタミンB4は現在、「ビタミン様物質」(ビタミンに似た生理作用をもつ有機化合物)とされ、ビタミンから格落ちになっています。これは、微量で体内の代謝に重要な役割を担いますが、ビタミンとは違って、体内で生合成でき、栄養素として必ずしも摂取する必要がないためで、B4のほか、B8・B10・B11・B13~B17・BH・BT・BXなどもビタミン様物質とされています。そのため、ビタミンB3に続くのは、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)となります。

バランスの取れた食生活では、ビタミン不足をきたすことはあまりありませんが、偏食による不足の懸念はあります。ビタミンB群は水溶性ビタミンですので、万一摂(と)りすぎても尿中に流れ出てしまうので、過剰摂取になる心配は通常ありません。

ちなみに、銀杏(ぎんなん)に含まれる4-0メチルピリドキシンという物質は、ビタミンB6に非常に似た分子構造となっています。4-0メチルピリドキシンを摂取することにより、ビタミンB6の働きを阻害してしまい痙攣(けいれん)などの中毒症状をききたしてしまうことがあります(ビタミンB6は、脳内のGABAという抗痙攣・鎮静に役立つ物質の生成にかかわります)。

そのため、特に体の小さな5歳以下くらいの小児に中毒が多く(7割は10歳以下といわれています)、場合によっては5~6個の銀杏摂取で中毒から痙攣に至ってしまったケースもあるようです。まれに死亡例も報告されていますので、子どもには銀杏を摂取させないほうが良いと思われます。

上都賀郡市北部地区医師会幹事(藤原地区)
川村医院
川村 英樹(かわむらひでき)

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