■世界と日光市をつなぐ架け橋に-。
日光市国際交流員
ヴァイオレット・ニーダム(Violet Needham)さん
市民の皆さんの国際交流を促し、世界を身近に感じてもらうことを目的として配属される国際交流員。今年4月に着任した、アメリカ合衆国出身のヴァイオレット・ニーダムさんを紹介します。
◆大学の講座で出会った日本
私は自然豊かなインディアナ州のチェスタートンで育ちました。フレンチホルン奏者として音楽を専攻しようと思い、ミシガン大学に進学しましたが、大学で出会った日本語講座をきっかけに、日本の言語や文化に興味が広がりました。社会学や国際関係について学び、専門分野を日本としたアジア研究に没頭しました。歴史的建造物や言語の成り立ちなど、昔から続くものに溢(あふ)れた日本はとても興味深いです。
◆留学そして就労
大学2年生の時に、滋賀県彦根市へ短期留学した際に、JICA(ジャイカ)(国際協力機構)の発表を聞く機会がありました。発表を聞いて、日本とアメリカのつながりの強さを再認識し、どうやって親しい関係を築いてきたのか、これから日米は他国にどんな良い影響を与えられるのか、とても気になりました。また、東日本大震災のボランティア活動の際に、日本の社会福祉にも関心がわきました。それらを肌で感じて学んでみたいと思ったので、大学卒業後に日本通運デトロイト支店で2年間勤めた後、日本で働くことを決めました。
日光市に住み始めて、杉並木や日光連山などの自然に感動したのはもちろん、「人」の温かさやつながりがあることに日々感激しています。これは、地方だからというだけではなく、日光市ならではの魅力だと感じます。
◆市在住外国人の生活安全
私は、これまでの国際交流員と違い、「生活安全課」に配属されています。学校や児童クラブの訪問、市民向けの英語講座はもちろん行いますが、生活安全課の職員として、日光市に暮らす外国人が安心して暮らせるように支援していきたいと考えています。
日本で初めて生活する方が、市役所の窓口に来た時に通訳でお手伝いすることがあります。住民票や税の手続きについてなど、流れがわからないことが多いので、スムーズに案内ができるように勉強中です。
また、これはまだ検討中ですが、外国人向けの相談窓口を開設したいと思っています。労働力不足が社会問題となっている今、日光市でも、外国人労働者への対応や多文化共生の意識はとても大切なことです。もしかすると、スマホがあれば、日本語を学ばなくても日本での生活に困らないと思っている外国人がいるかもしれません。これでは、お互いの理解が進まず、外国人労働者がひきこもってしまう危険性があると思います。そのような中で、私が、地域のコミュニティーにどう入ればいいかわからない外国人と日光市をつなぐ架け橋になり、日光市に住む外国人が日本や日光について学びながら、安心安全に生活できるように支援する仕組みづくりを進めていきます。
◆市民のためにここにいる
市職員として、市民の皆さんの力になりたいです。アメリカ人だからこそ、歯に衣(きぬ)着せぬ意見や声を聞きたいです。市役所や街で見かけたら、遠慮せずに声をかけてください。
■インタビューを終えて
日本語が堪能なニーダムさん。今回のインタビューも流ちょうな日本語で答えてくれました。学びを生かし、市へ貢献したい気持ちがひしひしと伝わりました。これからのニーダムさんの活躍に期待してください。
※広報紙では、ニーダムさんの連載コラム「日光にスミレ咲く」を毎号本紙31ページに掲載しています。
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