誰かと話したい
誰かと笑い合いたい
そんな思いを抱えている人はひとりじゃない。
心と心がつながる場所がある。
一緒に一歩を踏み出してみませんか。
■社会的孤立 どう支えるか
社会的孤立とは、いわゆる「ひきこもり」も含めた、家族や地域社会とほとんど接触のない状態のことをいいます。長引くコロナ禍では人とのつながりを保つことが難しくなり、社会的孤立が全国的に大きな課題となりました。
そんなコロナ禍の令和4年度、市は市民意識アンケート調査で初めて「ひきこもり」に関する項目を設けました。「今、ひきこもっている」と答えた方は、3・5パーセントという結果でした(図1)。年代別に見ると、10代・20代を除き、どの世代も一定の割合で「ひきこもり」状態の方がいることがわかりました。
また、同じアンケート調査で、「ひきこもり」の支援に関する市の取り組みについて尋ねたところ、「知らなかった」と答えた人の割合が約70パーセントという結果でした(図2)。
この調査から、私たちの住む日光市にも、いろいろな理由で地域や社会との関係が途切れてしまった幅広い年代の人たちが「いる」ことが見えてきました。
しかし、一度途切れてしまっていても、社会とつながり直すことはできます。あなたの背中を押してくれる支援があります。
この特集では、「つながり直し」を支援する市の事業、孤立した人たちに寄り添った支援に取り組む団体の活動を紹介します。
【図1】
ご家族にひきこもりの方、もしくはひきこもりだった方はいますか(本人含む)
【図2】
日光市では、「生活相談支援センター」および、「ひきこもり相談センターかがやき」においてひきこもりの方やご家族の相談・支援に当たっていることをご存じですか。
■担当者からひとこと
社会的孤立には不登校や離職、人間関係など、さまざまな要因があり、私たち自身も含め誰にでも起こる可能性があります。社会的に孤立すると本人だけでなく、そばで支える家族も不安でいっぱいです。
ある講演会で聞いた社会的孤立を経験された方の言葉を借りると、社会的に孤立している状態は燃料の入っていない自動車のような状態です。燃料のない自動車を無理やり動かそうとしても動きませんし、ずっと外から押し続けると押す人(=家族など)の燃料もなくなってしまいます。まずは燃料を満たす必要があります。
社会的孤立の支援は本人だけでなく家族をいかに孤立させず、社会とつなげるかが大切です。市は社会福祉協議会をはじめ各団体と一緒に、気軽に話せる、「安心できる場所」を地域に作ることを目指しています。
本人が社会とつながり直せるように、本人と家族に寄り添った支援を行っていきます。どんな小さな悩みや困りごとでも良いので、決してひとりで悩まずに相談してください。
【PLACE 01】
■日光市ひきこもり相談センターかがやき
《施設情報》
開所日時:火曜〜土曜日(祝日を除く)午前9時〜午後5時
場所:今市741
【電話】0288-25-5508
●かがやきについて
かがやきは、無料でひきこもりに関する相談(来所・訪問・電話・メール)を行っています。18〜65歳の方を対象に、就職を希望する方には市の就労支援を紹介するなど、一人ひとりにあわせた支援を行っています。
そのほかにも、「居場所」の開放も行っています。「居場所」はその名の通り、好きなときに来て好きなことをしていい場所です。居場所に来ることで自然と昼夜逆転の生活をしていた人が、生活習慣を整え、今では居場所が生活の一部となっている人もいます。そして、年6回ほど季節に合わせたイベントも行っています。自分のペースで楽しみながら人と関わることができます。
●周囲の人がサポートできること
自分がひきこもりであることを恥ずかしく思う人や、家族内にひきこもりがいても、誰にも相談できない人もいます。そもそも相談がないと支援できないため、その段階からサポートを行う必要があります。
本人や家族が孤立しないためにも、ひとりで悩まず、つらい気持ちを話せる場所が、かがやきだということを認識してほしいです。
《かがやき利用者の声》
〇Y・Yさん
日光ボランティア市民活動フェスタに参加したことがきっかけで知りました。イベント参加や、作品の展示でお客様と話すことが楽しかったです。かがやきにも週5日通えるようになり、体調もよくなりました。
〇H・Sさん
親が相談に行ったことをきっかけにかがやきに行くようになりました。YouTube鑑賞や使用済み切手の余白部分を切り取る作業をしています。
今では昼夜逆転が改善され、あいさつとコミュニケーションが取れるようになりました。
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