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自治体の皆さまへ

キラリ輝く日光に生きる人々「輝き人」vol.64

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栃木県日光市

■大谷川に流れる命を守る、先駆者たち。
ニッコウイワナに学ぶ会
会長 道田 豊(みちたゆたか)さん・宮本 幸太(みやもとこうた)さん

ニッコウイワナの減少を危惧し、市内の小学校を中心に市の自然の素晴らしさや課題を伝えるなど、保全活動に努めるニッコウイワナに学ぶ会。
今回は、会の二人に話を伺いました。

◆大谷川に生息
かつては旧今市市内はもちろん、大谷川と鬼怒川の合流付近までイワナが釣れたそうです。しかし、今ではごく限られた場所でしかイワナの姿を見ることができなくなりました。
その限られた場所でも乱獲、環境の悪化、外来魚の侵入など、人間の活動が原因でイワナの数はさらに減少しています。地名由来の「ニッコウ」の名前がつく美しいニッコウイワナがこのままだと大谷川からいなくなると感じ、イワナの保全活動に取り組むことにしました。

◆隠れ家づくり
道田:これまで5年間にわたり、大谷川の清掃活動、川釣りのルールを学ぶ授業、イワナのふ化観察、隠れ家作り、生態調査などを行いました。そして、旧清滝小学校の子どもたちは、令和5年に東照宮で開催された国際イワナ学会で、今までの研究結果を英語で発表しました。

宮本:イワナの隠れ家づくりでは、古河日光発電株式会社、日光砂防事務所、日光土木事務所など地元の河川関係者らの協力の下、イワナが安心して暮らせる隠れ家を大谷川につくり、そこへ小学校の廊下で育てたイワナを放流しました。これらの活動を通じて、身近にある大谷川や日光の自然に目を向けてもらい、「どのように守れば、いつまでも利用できるようになるか?」を一緒に考えるきっかけになればと思っています。

◆イワナの現状
道田:最初は旧清滝小学校の児童や先生も大谷川にイワナがいることを知りませんでした。しかし、現状を知るうちに関心を持ち、今では大谷川のイワナのことを誰よりも考えてくれる心強い仲間になっています。

宮本:3月に今市文化会館で開催された日光ボランティア市民活動フェスタにて、150名以上を対象に大谷川のイワナについてのアンケートを実施しました。その結果、大谷川のイワナの減少を知っている人は30%程度しかいませんでした。一方、その現状を知った95%の人たちが、大谷川にイワナが増えてほしいと回答しました。これらのことから、私たちが今後取り組むべきことは、まずはこの現状を多くの市の人たちに伝えていくことだと考えています。

◆未来の子どもに残す
道田:イワナを守り、増やすためには、エサとなる生き物たちや、その生息環境のことも考える必要があります。イワナが生きられるようなきれいで豊かな川を未来に残していければと考えます。

宮本:子どもたちと川や魚の現状を学ぶことで、地域の方々が川の未来を考えるきっかけになればと思い、現在は子どもを対象に活動しています。今後は、活動の対象を大人にも広げて、地域全体でニッコウイワナを守る意識づくりができればと思います。

■インタビューを終えて
最後に二人は、地元の小学生への教育活動は次世代への豊かな自然環境を継承することにもつながると話してくれました。そんなニッコウイワナに学ぶ会に興味のある方は、会の活動履歴を確認してみてください。

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