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元気予報

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栃木県日光市

■お酒のお話
上都賀郡市北部地区医師会幹事(日光地区)
藤原医院
藤原 弘道(ふじわらひろみち)

昔から「酒は百薬の長」として適量の飲酒は体に良いとされてきました。日本人男性を対象として純アルコール2日で20gの飲酒量が最も低い死亡率とする研究があります。厚労省は「節度ある適度な酒量」は1日平均純アルコール量20g以内を推奨しています。20gとは、ビールでは中瓶1本、ワインではグラス2杯、日本酒では1合、焼酎では100ミリリットル、ウイスキーではダブル1杯に相当します。

摂取したアルコールは肝臓で代謝されます。分解酵素によりアセトアルデヒドから酢酸を経て、最終的に水と二酸化炭素として排泄(はいせつ)されます。欧米人に比べ日本人は分解酵素が欠損している人が多く、顔が赤くなる人は代謝が弱いので、酒量の制限が必要です。酒量が増えると肝臓や膵臓(すいぞう)の障害、高血圧や心筋梗塞などの循環器疾患など多くの臓器障害を起こします。

一方、代謝の過程で産生する有害なアセトアルデヒドが遺伝子の損傷を起こし、それが食道癌(がん)や大腸癌などの消化器癌、女性の乳癌など、さまざまな癌の発生につながっています。この変化は少量の酒量でも有害性が有益性を上回るとされ、健康のためには酒量ゼロが良いとの論文が2018年医学雑誌Lancet(ランセット)に発表されました。

皆さんはどちらを信じますか。お酒は場を和ませ人とのつながりを円滑にさせます。良い面と悪い面をよく理解し、上手な付き合い方ができるよう心がけましょう。

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