■ゴミとの闘い
工藤智仁(くどうとしひと)さん
高橋智也(たかはしともや)さん
▽絶えない投棄、年間通じて巡視、回収
4月半ば、ヨシ焼き後の新緑が広がる遊水地。河川パトロール車が斜面下に白い袋を見つけました。水回りのパイプ用品、トイレ…投棄された事業系のゴミです。回収のために内容と位置を記録し、巡視を再開しました。
私、工藤智仁(写真上の左)は、遊水地を管理する国交省の渡良瀬遊水池出張所長です。実は2日前、約5千人が一斉にゴミを拾うイベント「遊水地クリーン作戦」(写真下=2019年、市ハートランド城で)が実施予定でした。国と4市2町の恒例行事ですが、雨で中止。コロナ禍もあって4年連続の中止です。ゴミとの闘いは、その分も含めて日々の作業にゆだねられました。
遊水地は、首都圏にも近く投棄の場にもなってきました。係長の私、高橋智也(同上の右)がご説明します。河川パトロールが最も多く見つけたのは2005年で623件。家電リサイクル法の施行後で家電ゴミが増え、家庭ゴミも最多。時代と世相を映して、テレビ、自転車、タイヤなど折々で多様で、産業廃棄物も。河川を汚し、生き物の環境を悪化させ、洪水を防ぐ設備を壊しかねません。国費で処理しても、負担は国民に跳ね返ります。
それが最近は年200件ほどに減りました。投棄場所を図示した「ゴミマップ」の配布や「クリーン作戦」などで、捨てない意識と捨てにくい環境が浸透しつつあるのでしょう。頼もしいのは、人が集まる「子供広場」などがきれいなことです。ゴミを持ち帰るのも、ポイ捨てを片付けるのも、日常の中で出来るSDGsの活動。みんなの力で遊水地をゴミから守りたいですね。
※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。
問合せ:国交省(利根上)管理課
【電話】0480-52-3957へ。
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