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ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.48

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栃木県栃木市

■ヨシ原の郵便配達
関根正実(せきねまさみ)さん

▽自然と地域の営みが混然一体の『里湿地』
緑のヨシ原がどこまでも続く遊水地を、赤のバイクが走り抜けて行きます。一目で分かる郵便配達です(写真下)。自然と地域の暮らしが混じり合い、懐かしさや親しみが湧くのか、色の対比が「写真映ばえ」するのか、自然観察の人に声をかけられ、カメラを向けられもします。
私、関根正実(写真上)は、藤岡郵便局の郵便配達員です。平日のほぼ毎朝午前10時ごろ、交代制で遊水地内を走らせます。郵便局がある西側から遊水地に入り、渡良瀬川と巴波川の堤防沿いに直線距離で8kmほどを横断。東側の部屋、石川地区などの家々を回って一軒ずつ配達。夕刻の帰途、また通過します。道すがら、珍しい鳥やイノシシを見かける一方、見慣れたカラスやネコの姿も。季節の花々が咲き、「ああ、気持ちが良いなあ」。周りの人里と地続きの自然は楽しみが尽きません。
遊水地は、栃木市が大半を占めて町を二分。独特の配達事情を生んでいます。多くの地域は外周に沿って県道などを活用。しかし、最も離れた対岸で、郵便量も局全体の一日約7千通のうち約1割を占める部屋地区など向けは遊水地横断の配達ルートが長く続いてきました。
ここに勤務して22年。デジタル化が進む今日ですが、今も手紙が配達されるのを待っている人がいて、一通一通の重みは変わりません。配達先でお年寄りに「お元気?」と声をかけ、農作業の人たちなどと言葉を交わす。地域の生活を支える仕事が自分に合い、やりがいを感じます。遊水地内は子どもの頃に魚釣りに通いました。自然と共存するこの風景が、ずっと続いてほしいですね。同郵便局は(【電話】62-2047)。

※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。

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