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自治体の皆さまへ

ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.49

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栃木県栃木市

■湿地を再生する
佐々木憲仁(ささきのりひと)さん
真崎綾子(まさきあやこ)さん

▽治水事業で掘削し、そこに池沼を創り出す
ヨシ原の向こうに水辺が広がります。観察用の小道を行けば希少植物が見られ、池では外来魚を捕まえるイベントも。水際には人工巣塔。ここで、コウノトリのひなが4年連続で誕生し、遊水地の人気スポットです。
が、実はこの池は出来てまだ9年。私、佐々木憲仁(写真上の右)は、国交省利根川上流河川事務所の課長です。環境を学べる場をイメージして掘削しました。その通り、「環境学習フィールド3」の呼称が定着しつつあります。
一方、栃木市側にあるのが「同フィールド4」。堤防上から「ハート形」がくっきり(写真右下)。5年前、市の要望で掘削、市主催の外来種除去活動が活発です。
一帯は元々、湿地帯でした。しかし乾燥化が進み、ラムサール条約に登録された2012年の湿地面積はわずか2・8ha。そこで明治時代を参考に、水面の面積を2割ほどまで取り戻すと決めたのです。湿地再生のやり方は、いわば『一石三鳥』です。掘削して、川の堤防強化などの土を採取。掘り方を工夫して大小の池沼を創出します。そして貯水容量も増えます(同左下)。
係長の私、真崎綾子(同上の左)が、成果を紹介します。10年余で、第2調節池の湿地面積は当時の33倍の93haに拡大。今後も掘削を進めていきます。
誕生した水辺には、野鳥が飛来し、土中から希少植物なども発芽。そこを栃木市など自治体やさまざまな団体を中心に管理、利活用が進み、次世代に継ぐ『原風景』になりつつあります。ぜひ保全に参加ください。湿地再生の問い合わせは(【電話】0480-52-3958)。

※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。

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