市民後見人(こうけんにん)
殿塚光之(とのづかみつゆき)さん
皆さんは市民後見人制度をご存じですか?
今回は、県内ではじめての市民後見人として活動をされている殿塚さんに、市民後見人になられた経緯や後見活動の内容について、お話を伺いました。
■市民後見人のお仕事は2つ?
市民後見人の主な業務は、障がいや認知症などにより、契約や財産管理に不安のある方の支援をすること。市民後見人の仕事について殿塚さんは、「難しいことではなくて、『身上(しんじょう)保護』と『財産管理』の2つのことしかやっていないんですよ。」と話します。「身上保護とは、被後見人さんの健康や安全を守ることで、財産管理とは、被後見人さんの財産を守ることです。」と分かり易く教えてくれました。
言葉では2つですが、お話を聞くとその業務の範囲は多岐にわたり、そのご苦労がうかがい知れます。
■本人の意思の尊重と葛藤
被後見人さんが暮らす施設を定期的に訪問し、会話を重ねながら、本人の意思の尊重を大切にされている殿塚さんですが、コロナ禍では被後見人さんが大好きな外出もできず、健康診断で体重の変化など一部憂慮される事態が生じたそうです。この時は、施設関係者の皆さんと連携した結果、食事制限等に至らずに済んだそうですが、「ご本人の健康状態と意思の尊重を考えると難しい対応に葛藤はありました。」と話されていました。
■多くの方との出会いは私の財産
市民後見人を目指した理由について殿塚さんは、「退職後の過ごし方を考え始めた頃、地元での知人づくりをしようと思い、どうせやるなら地域の役に立てるようなことをやりながら知人を増やせないか、と考えていたところ、『市民後見人養成講座』の新聞記事を目にしたのがキッカケです。」と話します。
当初の知人づくりの目標は達成できましたか、と尋ねると、「活動を通して、多くの方と知り合うことができ、私の財産になっています。こうして広報紙の取材を受けることもそうですよ。」と笑顔で話してくれました。
■今後の目標
「一人でも多くの市民の皆さんにこの活動についてご理解を頂き、養成講座を受講され、市民後見人として活動していただけたらと思います。将来は市民後見人同士のネットワークを築き、支援体制の在り方やノウハウなど関係機関と連携を図っていくことが大切だと考えています。」
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