サッカー専用スタジアムは、現在サッカー関東リーグ1部に所属し、本市をホームタウンとする栃木シティフットボールクラブを実質的に運営している株式会社日本理化工業所(以下「運営会社」という。)が、令和3年3月に岩舟総合運動公園内に建設したもので、市は、地元住民からの設置を求める要望などもあったことから、運営会社と協議のうえ、令和2年3月、スタジアムの整備とその維持管理は運営会社が行うことやスタジアムを地域にも貸し出すこと、公園使用料および固定資産税を10年間免除することなどを内容とする覚書を締結し、同月、岩舟総合運動公園敷地内にスタジアムを設置することを許可しました。
その後、令和3年5月、市民の方50人から「スタジアムの固定資産税の免除の差し止め」と「公園使用料を請求しないことが違法であるとの確認」を求める住民訴訟が提起されました。市は、「固定資産税と公園使用料の免除は、スポーツを通じたまちづくり・地域活性化の一環として、さらには厳しさを増す財政状況の改善及び公共施設の有効活用という公益目的に基づくものであり違法性はない」ことを主張しましたが、令和4年1月27日に宇都宮地方裁判所から出された判決は、『固定資産税の免除をしてはならない。公園の使用料を請求しないことが違法である』というものでした。
市は、この判決を不服として、同年2月に控訴しましたが、令和5年10月18日、東京高等裁判所は、市側の控訴を棄却し、控訴審においても市の主張が認められない結果となりました。
市としては、最高裁判所への上告も検討しましたが、これ以上、サッカーチームの支援に関する意見の対立が長引くことは好ましくないと判断し、上告を断念しました。
結果として、市が選択した支援策が裁判において認められなかったこと、および市民の皆様にご心配をおかけしたことについて心よりお詫び申し上げます。
今後は、運営会社と、これまで免除していた公園使用料と固定資産税の納付について協議を進めるとともに、どのような支援策が適切なのかということについて関係する方々と慎重に検討してまいります。
栃木シティフットボールクラブは、日立製作所栃木工場サッカー部として発足後、永く本市を活動の拠点とし、市民の愛着もあり、現在ではサッカーの楽しさを子どもたちに伝える活動として市内小学校に出向き、サッカー教室を開催するなど地域貢献活動も積極的に実施しております。またこの度、全国地域サッカーチャンピオンズリーグで優勝し、栃木ウーヴァFC時代から7期ぶりにJFL昇格を果たしました。
市といたしましては、Jリーグ昇格を目指す栃木シティフットボールクラブをこれまで同様応援するとともに、地域に根付いたチームとして市民に愛されるチームとなるよう相互に連携・協力し、今後も市民への健康づくり事業や青少年育成活動、PR活動を引き続き推進してまいりますので、今後とも本市をホームタウンとする栃木シティフットボールクラブへの応援をよろしくお願いいたします。
栃木市長 大川秀子
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