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自治体の皆さまへ

ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.52

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栃木県栃木市

■堤防を歩いて守る
鈴木雅史(すずきまさし)さん

▽洪水防ぐかなめ、延長59kmを総出で点検
「おおっ、ひどくやられている」。驚きの声に、遊水地の堤防に散らばった職員らが駆け付けました(写真右下)。法面(のりめん)が長さ約20m、幅約10mにわたってえぐれています。「イノシシのしわざだ」。葛の根などを探して掘り返した跡です。
私、鈴木雅史(同上の中央)は、利根川上流河川事務所の総括保全対策官です。「対策が必要だな」。そう判断し、タブレット機器で記録。戻って検討した上でこの部分を補修します。土で出来た堤防のあらゆる異状を見つける–。今日の目的に注意を戻して点検を再開。が、その先もイノシシやキツネの小さな掘り穴が二十カ所以上。斜面の上り下りで「きりがない」の声も出ます。
堤防は、遊水地の治水機能の要(かなめ)です。台風19号(令和元年)では過去最大の洪水量を貯留しました(同左下)。そこで年2回、「堤防点検」を実施します。秋に一カ月余かけて傷んだ個所を発見して補修。翌春にそれを確認して次の出水期に備えます。やり方は単純明快、「歩いて」。延長約59kmを職員総出で分担します。
日が傾くころ、今日分の6・3kmを踏破(同=渡良瀬川沿いが歩いたコース)。亀裂や陥没など構造的、深刻な問題はなく、この調子ならば来年に向けて安全性は確保できます。一方で、イノシシ被害は予想以上。しっかり補修が必要です。生態系、人の生活圏への影響に加えて、治水面からも心配です。各自治体と連携して獣害対策に知恵を出したいですね。
利根上管理課は(【電話】0480-52-3957)。

※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。

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