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ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.53

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栃木県栃木市

■野鳥の渡りを追う
人見潤(ひとみじゅん)さん

▽足環を付けて地球規模の旅の謎を解明
ヨシ原に張った網に野鳥がかかりました(写真下)。赤みがかった褐色、オオジュリンです。北から渡ってきたばかり、冬の遊水地のヨシ原の代表的な鳥です。
鳥の安全に気を付けながら野営のテントに運び、1gにはるかに満たない足環を装着(同下の右上=10月、オオヨシキリ)。性別、年齢、体長、体重なども記録してから放鳥。元気にヨシ原に戻って行きました。11月初め、遊水地は南に去った夏鳥と入れ替わり、冬の鳥で大賑わいです。アオジ、ベニマシコ、ジョウビタキなど一日に百羽以上を捕獲、手分けして作業が続きます。
「渡り鳥はどこから来て、どこへ行くのか?」。科学的に答えを出すため、環境省は個体が識別できる足環を付ける「鳥類標識調査」をしています。私、人見潤(同上の中央)は、その「鳥類標識調査員」です。仲間とボランティアの「渡良瀬バンディングチーム」を作り、34年間活動しています。そして今日は、「秋の渡り」を調べる一日。9月中旬から12月まで、6人の仲間らが毎週末、時に泊まり込みで調査。捕獲は毎年、40~60種類、1500~3000羽に及びます。
遊水地は例えれば『国際空港』、地球規模で渡る鳥たちの越冬地、中継地、繁殖地です。ここで放ったオオヨシキリ、アオバズクが南の香港などで回収されました。北からも、カムチャッカ半島で放鳥したオオジュリンを遊水地で捕獲し、足環が旅を裏付けてくれます。
ヨシ原の時間は楽しみです。夜、360度の星空。渡って行く鳥たちの声が聞こえ、野鳥談議が弾みます。仲間に加わりませんか。見学希望はメールで(【メール】il335bander@gmail.com)。

※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。

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