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自治体の皆さまへ

ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.55

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栃木県栃木市

■切った木を無償配布
大西実(おおにしみのる)さん
高橋剛(たかはしつよし)さん

▽治水のために伐採し、それを家庭の薪(たきぎ)に活用
「メリッメリッ」と音を響かせて幹回り約180cmの高木を、重機が引き倒していきます。ここは遊水地内の思川河川敷、ヤナギ群落が約2万平方メートルに広がります。私、高橋剛は、利根川上流河川事務所の古河出張所長です(写真上の左)。伸びすぎた1085本の伐採を決めて1月上旬に着手。半月弱の今日、この木が225本目です。
切り出したヤナギやクワは、広く市民に無償配布します。キャンプやバーベキュー用、燃料高騰もあり家庭の風呂の薪(たきぎ)などに人気です。持ち運びしやすい長さ約60~70cmにカット。2月になって、北エントランス近くの駐車場に運びつつ、配布が始まりました(同下)。
私、大西実は利根上の管理課長です(写真上の右)。樹木を伐採するのは、遊水地の治水機能を保つためです。洪水時、繁茂した木々に浮遊ゴミがからむと流れが滞り、木々で流れに片寄りができると堤防が削られることもあります。台風などでは、折れた木の片付けも必要です。
一方、困るのが大量に出た伐採木の処分。目を付けたのがアウトドアブームでした。「燃料」として活用してもらえばゴミが資源に変身する–。一級河川などでも行う、いわば『一石二鳥』の策です。喜んでもらえ、私たちも持ち帰ってもらえて助かります。節約した費用は次に使え、持続可能な流れとなって定着しています。毎年、「今年の配布予定は?」と問い合わせがあり、地域とのつながり強化に役立っています。
遊水地ならではの工夫もあります。木々は野鳥が憩い、木陰が自然を守り、景観の一部です。次はどこを切るか、環境にも配慮します。配布情報は利根上HPに掲載。管理課は(【電話】0480-52-3957)。

※写真は、本紙またはPDF版32ページをご覧ください。

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