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ハートランド(渡良瀬遊水地) 私が案内します Vol.57

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栃木県栃木市

■谷中村の遺跡を守る
・坂原辰男(さかはらたつお)さん
・山口(やまぐち)とみ子(こ)さん

▽鉱毒事件で廃村、歴史を伝え語り継ぐ
「ゴ~ン」。谷中村にゆかりの鐘をつくと、音色が野原、接する谷中湖へと静かに広がって行きます(写真下)。
3月末、遊水地の村史跡保全ゾーン。私、坂原辰男(同上の前列中央)は、「谷中村の遺跡を守る会」の会長代理です。今日は、春の「ヨシ焼き」でヨシ原が燃え、跡に立ち現れた村の面影をたどる散策ツアーを数年ぶりに開催しました。参加した23人が4班に分かれ、説明を聞きながら歩いて村役場跡や屋敷跡、鐘のある延命院跡、共同墓地へと巡り、往時を体感しました(同上)。
谷中村は、上流の足尾銅山鉱毒事件の鉱毒を沈殿させるなどのための遊水地建設で廃村になりました。会の結成は時代を下って1972年、「谷中湖」の建設に伴ってでした。残った遺跡もその候補地となり、会を作って何とか保存をと国と交渉。この結果、村史跡保全ゾーンとして残すことが出来、谷中湖は北端が凹んだ現在の「ハート(♡)型」になったのです。
会員は約140人。史跡を清掃して案内板を充実し、ガイドもして、村跡を守り歴史を語り継いでいます。
村は、今も息づいている–。もう一つの活動が、延命院跡に「連絡ノート」(同下の左)を置き、訪れる人の書き込みを通して交流することです。全文を、会事務局長の私、山口とみ子(同、鐘をつく姿)が書き写し、「谷中村たより」として発行。連絡ノートの箱にも置きます。ここに立つ人の思いは幅広く、村の苦難の歴史、日々報じられるウクライナ、パレスチナの惨状に寄り添う心情、蘇った自然を守る思い…。三代会長だった父、針谷不二男(はりがいふじお)が始め、私が意志を継いで現在116号です。
山口さんは(【電話】090-3140-0733)。

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