■7月3日はラムサール条約湿地登録記念日
澄み渡る空、吹き抜ける風、ざわめくヨシ原、優雅に舞うコウノトリ、たくましく生きる動植物たち…。
足尾銅山鉱毒事件をきっかけに洪水対策の要として造られた渡良瀬遊水地には、今では自然の博物館と呼ばれるほどの豊かな生態系が形成されています。その貴重な湿地環境が世界的に認められ、平成24年7月3日、渡良瀬遊水地はラムサール条約湿地に登録されました。
■渡良瀬遊水地の役割
▽治水
東京ドーム700個分、山手線の南半分とほぼ同じ33平方キロメートルの面積を有する渡良瀬遊水地の総貯水量は約17,000万立方メートルです。上流で降った雨や洪水を一時的に貯め込むことで、下流に流れる水の量を調節しています。
過去最高貯水量を記録した令和元年東日本台風では、約16,000万立方メートルもの水を貯め、周辺地域のみならず、首都圏における災害軽減の役割を果たしました。
▽利水
渡良瀬遊水地を象徴するハート型の湖「渡良瀬貯水池(通称:谷中湖)」は、首都圏に生活用水を供給する「利水」を目的として整備された日本初の「平地型ダム」です。
渡良瀬貯水池には、次の2点の平地型ダムならではのメリットがあります。
(1)集水面積が大きい…流れ込む川を通して、上流部に降った雨も集めることができる。
(2)供給地まで近い…山間のダムから供給地まで水を届けるのに2日かかるところ、5時間で届けることができる。
■渡良瀬遊水地の自然
渡良瀬遊水地では多くの絶滅危惧種が生育しています。特に、谷中村史跡保全ゾーンにある「ハート池」は20種類以上の希少植物が生育する、遊水地内でも随一の貴重な場所です。
この貴重な湿地環境を保全するため、栃木市では、他の植物の生育に悪影響を及ぼす外来植物の抜き取り作業を実施しています。
毎回約150名もの参加者に協力をいただき、皆さまの手によって渡良瀬遊水地の豊かな自然が未来に繋がれています。
■Lover’s Sanctuary
恋人の聖地
ハートの湖とハートランド城
令和4年10月1日、渡良瀬遊水地の谷中湖とハートランド城は、プロポーズにふさわしいロマンティックなスポットとして、「恋人の聖地」に選定されました。
大きなハートの湖の中心で愛を叫び、ハートランド城(藤岡町藤岡)で幸せの鐘を鳴らせば、恋愛成就間違いなし?
渡良瀬遊水地では、日本における野鳥の約半数となる約270種類が確認されており、遊水地のシンボルバードである「チュウヒ」や、世界的な希少種である「オオセッカ」など、季節ごとに大変珍しい野鳥を見ることができます。
そして最近では国の特別天然記念物である「コウノトリ」が飛来し、遊水地内で愛を育んでいます。
幸せを運ぶコウノトリが舞う渡良瀬遊水地で、雄大な自然に囲まれながら、大切な人との絆を深めてみてはいかがでしょうか。
※IA類…ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
※IB類…IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
■渡良瀬遊水地イベント
▽わたらせ熱気球day
熱気球の係留飛行体験です。
日時:いずれも6時~9時
(1)7月21日(日)
(2)8月18日(日)
(3)9月15日(日)
場所:藤岡渡良瀬運動公園
定員:各回200人(先着順)
申込:事前予約制
▽グランドクルー体験会
熱気球グランドクルー体験会を実施。
日時:わたらせ熱気球dayと同日。いずれも5時30分~9時30分
場所:藤岡渡良瀬運動公園
申込:事前予約制
▽夏のわくわく大作戦!親子水辺教室
植物観察とカヌー体験を行います。
日時:7月27日(土)9時30分~12時
集合場所:谷中湖レンタサイクルセンター前
対象:小学生とその保護者
定員:32人(先着順)
申込:7月1日(月)8時30分~17日(水)17時
問合せ:渡良瀬遊水地課
【電話】62-1301
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