花火師
有限会社 関口煙火工場 代表取締役
若井豊(わかいゆたか)さん
渡良瀬遊水地花火大会、ど田舎にしかた祭り、TSUGA盆、皆川城址まつりなど、市内で行われている花火イベントの多くを手掛ける花火師の若井さんにお話を伺いました。
■大正5年創業の老舗
若井さんが四代目の代表を務める関口煙火工場は都賀町にあります。創業は大正5年、今年で108年目になります。
花火師を志したのは30代の頃。結婚を機に、奥様の実家の家業であった花火の世界に足を踏み入れたそうです。「最初は右も左も分からなかったけれど、先代の社長や仲間たちから教えてもらったり。見よう見まねでやってましたよ」と話す若井さんですが、今では、国内最高峰の花火競技会『大曲の花火』出場や『土浦全国花火競技大会』で準優勝するほどの腕前です。
■最新技術と職人技の融合
若井さんの工場でも最新設備の自動玉張り機を導入したり、コンピューター制御で花火を打ち上げるなど、時代とともに変化する打上花火ですが、花火師として一番苦労するのは、花火玉を製作することだそうです。どんな花火を夜空に描くのか、機械化できない、花火で一番大切な部分では、若井さんの職人技が光ります。「打ち上がった花火を想像しながら作ってみて、着火して試す。作って試す。これの繰り返し。なかなか思った通りにいかないんだよ」と話します。
花火師のやりがいについては、「花火を見て、子どもたちが喜んでくれるのが一番嬉しいね」と笑顔で教えてくれました。
■花火で笑顔を届けます
コロナ禍では、イベントの中止が相次ぎ、予定していた花火の打上げも中止となり、若井さんの工場も大きな打撃を受けました。「工場をたたもうか、と家族で話し合ったこともありましたよ」と当時の苦しい胸の内を明かしてくれました。現在では、各地のイベントも復活し、伊勢神宮の奉納花火や沖縄の音楽イベントなど、市内のみならず、国内の様々な場所で花火を打上げ、コロナ前以上に笑顔を届けています。
そんな全国を飛び回る若井さんの好物は、「やっぱり栃木のじゃがいも入り焼きそばは美味しいね。大好きだよ」と笑顔で話してくれました。これからも若井さんの色鮮やかな花火が、栃木市の夜空を彩ります。
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